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※あめこさまから(ポケモン小説)
水葬のあめこさんから…!
擬ゲンガーの小説をプレゼントしてくれましたぁあああああ
うわぁああむさ苦しい感想は2枚目にて!



****

※R18です。苦手な方はお気をつけて。









「はぁぁぁ……暇だねぇ」



ふかふかの愛しのベッドに身を埋めながら、私はだらーんと体を極限まで弛緩させた。
期日までのレポート提出を終え、本当に久し振りに休暇を貰った。
こうも働き詰めだと、休みの日は逆に何をしたらいいか分からなくなるものだ。
まるで働き蟻…もとい働きアイアントのように働いている間はあれやこれやとやりたいことばかり頭に思い描けるものだが、いざ休日となると見事に何もしたくなくなる。
よって、一日中ベッドの上でごろごろする現象……これを私は勝手に「ケッキング現象」と呼んでいる。きっと全国の社会人の皆さんは誰しもが経験していることではなかろうか。
一日を寝て無駄にすること程、幸せなことはないのである。切実に。
正直私はナマケロになりたいです。


いつもうるさいゲンガーは何故だか今日に限って不気味な沈黙を保っている。
いつもならデートデートと煩いが…まあ静かなのはいいいことだ。そしてさっきから姿を見かけないが…どこかふらっと出かけたのだろうか。ま、いっか。


ああ、やわらかな布団の感触が、心地良い…


そのまま私は心地良いまどろみに身を投げ出そうと目を閉じた――が。


無機質な、電子音。


「電話……」


どうやらテーブルに放置していた携帯に電話が掛かってきたようだ。
滅多に鳴らないそれが鳴るということは、大体良い知らせではないのである。


「………」


うわぁ。無視しようかな。
シカトを決め込んだ私はごろりと寝返りを打ち、掛け布団の中につま先から頭のてっぺんまで埋まり目を閉じる。
甲高い電子音は止まらない。
止まらない。
いつまでたっても止まらない。


「………」


あまりのしつこさに、結局折れた私はしぶしぶと布団から抜け出し、さめざめと溜息をつきながら携帯画面を確認する。


着信:マツバさん


「……………うわぁ」


まさかの魔王様きちゃいましたか。
ということはあの千里眼の持ち主だ、きっと私の様子なんてお見通しなんだろう。あーあ。
いや、あの偏屈よりはマシだが……なんだろう。
大体はなんてことはない内容のことが多いが、極たまに彼から仕事の依頼が舞い込むこともある。

仕方があるまい。

嫌には厭だが、断れば後が怖い。
意を決して、私は恐る恐る電話に出た。


「も……もしもし……」

『やあ。どうして電話に出てくれないの?』


ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃっ。


電話の向こうの声は極めて明るいものだったが、私には分かる。
電話の向こうの主は今現在ドス黒い笑みを浮かべているに違いないのだ。


「い、いや……あの、ちょっと寝てまして。気付きませんでした。あはははは」

『…………ふぅん。まぁいいけど』

「あははは…… それで、電話の内容は」


どうやら見逃してくれたらしい。
緊張のあまり直立不動だった私はどっと体の力を抜いてソファーに崩れ落ちるようにして腰掛けた。


『……何か理由がなきゃ、電話しちゃダメなのかな』


…それってつまり暇つぶしってことですかマツバさん。


「べつに……ダメじゃないですけども……」

『おや、なんだか不満そうだね。ナナシがあまりにも暇そうだから電話してあげたのに』

「さらっとストーカー発言しないでしないでくれます?」



そんな軽いやりとりを返していたところ、突如背中にソファーではない感触を感じ、首をひねって後ろを確認する。
いつの間にやら私はヒトを模した姿のゲンガーの膝に乗せられ、後ろから抱きつかれる形になっていた。
いつものにやけ顔は何処へやら、不気味な無表情である。
こいつ、いつの間に帰ってきてたんだ。
どうせこいつのことだから、ソファーに透過して無理やり滑り込んだのだろう。何せ「お化けは何でもアリ」が口癖だからね。
……特に気にすることもなく、私は意識を電話に戻す。


『どうしたの、ナナシ』

「あ、いや、別に……」


――ぬるり。


と、言いかけた所で、私は背筋が凍りついた。
耳の中に、なんか、ねっとりした、感触。
こ、これ、なに……?
これが後ろから舌だ、と気付いた時にはもう遅かった。


「げ、げんが……なに、してるの……っ」

「ソレ、こっちの台詞だなァ」


耳の中に入り込む舌から逃げるようにして身をよじるが、腰回りにゲンガーの腕が巻きついていて逃げることが出来ない。
なに、なにしてるのこいつっ。


「ゲンガー、や、めっ」

『………? ナナシ、どうかしたのかな 』

「な、なんでもないですっ…う、んっ!?」


電話を続行しようとする私を阻むかのように、ゲンガーが耳を甘噛みし始める。
悪戯にしては、悪質すぎる。


「ナナシさまさぁ、こいつの相手はきちんとするのに俺の相手は最近してくれなかったもんね……ちょーっと、拗ねちゃうなァ」

「な、に、言って……」

「……ちょっとくらい、構えよ」


いつもの飄々とした調子から、途端に低くなるゲンガーの声。
なにこれ、怖い。
吐息が耳に掛かって、背筋がぞくぞくする。


「イイよ、ナナシさま。こいつと喋ってて。その間に俺が好きなことするから、さあ。……ね?」


愉しげなゲンガーの声音。
かぷりと私の耳に齧りついたゲンガーは、腰に回していた手をするりと服の間に滑り込ませる。
――こいつ、ま、さか。


『……ナナシ?』

「マ、ツバさ、私、具合悪くてッ――ぎゃ、あ!?」


ぷつりと音を立ててブラのホックをはずされる。
ゲンガーの手はまるで撫でるようにして素の私の胸に触れた。


「なにしてるの!! やめ、」

「だからー、言ったじゃない。俺は俺の好きなことするし、ナナシさまはそいつと電話してればいいじゃない」


ね? と聞き返してくるゲンガーの声が妙に優しげで怖い。
こんなことしてるときに電話なんてしてられるかっ万が一変な声でも聞かれでもしたらッ、!?


「――や、あっ」


途端に私の声が跳ね上がる。
ゲンガーの細い指が先端をかすったのだ。
目を見開いて、私は電話を持っていない方の手で口を押さえる。


「あーらら、……ナナシさま、案外敏感なんだねェ…… 遣り甲斐あるわ」

「ふッ、う、馬鹿、言うなっ! やめろ……!!!!」

『……ナナシ、どうした』

「あ、ぅ……ちょっと、大丈夫じゃないみたいです……折り返し電話しま」

「だーめだってば。ナナシさま、そいつと電話しなきゃダメなんでしょー?」


最悪の事態を免れるため、携帯を切ろうと試みたがゲンガーはそれを許さない。彼の手が携帯を握る私の手ごと、強引に耳に押し当てる。


「い、いい加減にしなさいっ う、あっ」

「んん……? なにを?」

「しらばっくれるな、ひゃ、あ」


最初はただ胸に触れるだけだったゲンガーの手が次第に緩急をつけて揉みしだき始め、一瞬自分のものとは思えぬ高い声が漏れてしまった。
や、やばい。これはやばい。


「あはー ナナシさま、案外大きいんだねえ、やわらかくていいきもち」

『大丈夫かい、声がなんか変だが……』

「う、う…… ごめ、なさい…マツバさん…… お願い、切って……んぅ、」


なんだこれ、自分の声じゃないみたいだ。
自分の意志とは関係なく出てくる声を抑えることができない。
この間も、まるで感触を楽しむかのようにゲンガーの片手が双丘を刺激し続ける。
もう片手はつぅ、と指が腹を這い……次に内腿へと。
こ、れは。


「や、やだ、やめ」

「やめないからねぇ」


太腿をなぞっていた指が、するりと下着へと伸びる。
そしてそのまま焦らすようにして……下着の上からそこを撫で始めたのである。
ぞくりと電流が走ったような感覚が体中に走る。


「…………ッ!! マツバさ、お願いっお願い切って……!!」


私の尋常じゃない様子にマツバさんがしばらくの沈黙のあとに『……わかった』呟き、ぷつりと電話が切れた。
どっと力が抜ける。
いや、だからといってこの状況は少しも打破されていないけれど。


「あれれ…電話やめちゃったの……?」

「、誰のせいだ、ばかぁ……っ!!」

「聞かせちゃえばよかったのにねぇ、」


――ナナシさまの、ヤラシイ声。


低いゲンガーの声にぞくりと肩を揺らす。
も、こいつ、どうしちゃったの……?


「ま、いいけどさ…… その方が俺も好き放題できるし、ね?」

「っ!?」


今まで下着の上から撫でていた指が、ずるりと下着の中に入り込み 何も纏わない……そこに触れる。
思わず耳をふさぎたくなるような 粘着音。
その様子に気を良くしたのか、クスクスとゲンガーが嗤う。


「あらー。ナナシさま ちゃっかり濡れてるねぇ?

――撫でただけで、キモチよかった?」


わざとらしく聞くゲンガーに、顔に血が集中する。
このえろお化けっ……!!!!


「ふ、ざけんなっ!!!!」

「……ふざけてる訳ないデショ。俺は本気」


声を荒げる私に、ゲンガーはいたって静かな声で答える。


「ずぅっと我慢してたんだから……ずっと、ずっと」






まだ続くよ。
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