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「大人だって泣きたい夜がある。(万山)」

人目を忍んで、抱き合う。
求められるままに、何時しか受け入れていた。
拒んでいたはずなのに。
認めたくない想いだったのに。

「退…」
「万…斉」

名前を呼ばれる、懐かしい声。
記憶の奥に、響く音。


「今宵はまた、哀しい旋律でござる」
「何時も、そんな風に聞こえるんだな」
この逢瀬は、何時も哀しいメロディーを奏でている。
それでも望んだのは、自分?、彼?。

何故、こんなにも哀しくなるのだろう…。


目尻から、一滴。
伝い落ちた涙が、冷たい軌跡を頬に残す。
それから、生暖かい感触になぞられる。

「この涙は、何故に?」
「さあ?。分かんないけど、出てくるんだ」

何時か来る終末を、愁い想う。


「なあ、万斉」
「何でござろう?」
「お前が聞こえる歌…、俺達の最期の時まで、ちゃんと聞いていてくれよ…」
「…御意」
「万斉…」
「退…」

触れ合う唇から、歌が生まれる。
二人だけが奏でる、哀しい愛の旋律。




シリアス設定の万山だと、どうしても鬱デレ傾向に…。
背徳の業に共犯者の心理。
共に一線を越えてしまった関係の中で、何時か迎える終末に、二人が望む最後を待っている。
刺し違える気満々の二人。
最後の覚悟が出来ているから、今を精一杯愛し合うことが出来る。

そんな関係もアリかもしれない。


でも、ギャグ設定で変態ストーカーと地味ツンデレでラブコメして欲しい。

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