ヒトは命をも意のままに操作する技術を身に付けた。
『クローン人間』
世界各国で規制されたその技術は
社会の裏側で息衝いていた。
そして生み出された一つの命
人間に利用される物として
“彼”は世界を生きた――
<Perfect Doll>
age.12〜14
踏み出した世界の
広さ・眩しさ
同時に知った
絶対的孤独
人間への嫌悪
人間にある物が
決定的に自分から
欠けている事に
気付いた彼は
人形になると決めた。
感情の欠落。
引き金を引く事で
永らえる命。
そして抱えた痛み――
矛盾を払拭するように
自らに課せられた罪を
生きる事で償ってゆく
絡まった鎖を解いて
そして新たな鎖を絡めて
<Moving Clay>
age.17
憎しみを知った。
刻々と迫るリミット
生きてきた跡に重なる屍
その行き先は
自らの屍体
不出来な粘土細工
そんな肉体を捨てる前に
やるべき事がある
引き金は
憎しみと悲しみ
そして生きる理由を込めて
非情なのは己か世界か
生命は不可侵か物質か
罪は生きる事か殺す事か
救いは見出せるのか
それとも――
銃声ひとつで
世界は終わる。
<The last crime>
6years after
世界の醜さも
人間の非情も
明日の絶望も
受け入れて
生きると決めた
苦汁を全て飲み込み
地を這い回り
それでも生きる意味は
有るのか否か
日は昇り、沈む
失われてゆく命など
世界は知らぬ顔をして
The last crime
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