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ご褒美(セブルス)


「セブちゃん、隣いい?」

10月31日、夕食時。


自分を呼ぶ声に振り向いたら


「ハッピーハロウィーン!」


黒い耳
黒い尻尾

頬に三本線を引いたなまえが立っていた。


「何だその格好は…」
「あー、うん。黒猫なの。ハロウィーンだから」
「くだらない事してる暇があったら勉強たらどうだ」
「うん。だからご飯食べにきたの。ところでそれ何の仮装?」


いつものことだが会話が噛み合わない。


「仮装はしていない」
「セブちゃんはハロウィーンしないの?」
「しない」
「どうして?楽しいのに」
「くだらない」
「………」


唇を尖らせたなまえは空いていた自分の横の席に腰掛けた。


「それと自分の寮の所で食事をしろ。」
「…セブちゃんってさあ、先生みたいだよね」


つまらなそうにアップルパイを頬張る顔がたまらなく憎らしくて、愛しい。


「野菜も食べろ野菜も」
「うげっ。やだやだいらないよ」


横で何か言っているが、今は聞こえない事にしよう。

なまえの皿にトマトを盛りつけて、コーンも載せる。


「あーあ。」


溜め息をつきながら一方的に盛り付けられた野菜を見てあからさまに嫌な顔をするなまえ。


「さんざん甘いものは食べただろう…」
「食べ足りないよ」


アップルパイを4つも平らげて足りないのなら胃縮薬をお勧めしたい。


「あれだけ食べておいてまだ食べるのか…」
「あ、そういえばセブちゃん。お菓子ちょうだいよ。トリック オア トリート?」


…お菓子はちゃんと用意してある

だけど、まだ秘密


「いいから食べろ。栄養とらないと風邪ひくぞ」
「お菓子…」


隠したお菓子をプレゼントできるのは君がトマトを克服したら。


ああ神様。

どうか今日という日が彼女にとって幸せな日になります様に。




0801104.Happy Helloween!

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