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Infinity
 生きることが難しいこの世界で
 私達がこの手でどう人生を送るか見つけにいくんだ
 誰も手がかりを持ってはいないから、未来は自分で探そう
 誰も知らないだろうけど、私達の背中にあるものは正しいんだ

『Infinity……か』

 鈴音の歌を聴き、一瞬で曲名と和訳が出てくる辺り自分もまだ衰えてないな、と笑う。今の心境にぴったりじゃないかい、と鈴音は澄香に同意を求めるが、澄香は一度首を傾げる。

『間違ってはいないが、どちらかといえばDEPARTUREの方が出発するぞ、って感じじゃないのか』
『あれは送るほうの歌だし、これからの目的を探しに行こうって意気込みならこっちの方がそれっぽいじゃないか』

 なるほど、流石ですリーダー。などと少々の悔しさを込めて褒めてみる。それをどう受け止めたのか、鈴音が一つ問う。

『でも、本当に良かったのか』

 今更な、そして今まで何度も聞いた問い。今までは簡単に一言『あぁ』とだけ答えてきたが、今回は本音を返すことにした。

『そんなこと、まだ解らないさ。良い悪いじゃないくて、私が今何をするべきなのか、それを考えたらたまたまこうなっただけだ。この先鈴音がちゃんと目的を見つけられるような旅をするんだったら、本当に良かったって言えるだろうな』
『な、何で突然そんなこと言い出すのさ』

 半分はこの旅に責任を持って欲しいという念押し。そしてもう半分は意地悪。そう伝えると真っ赤になってぽかぽかと殴ってくる。本当、可愛い娘だ。

『さて、そろそろ出発しようか。皆の邪魔にならないように』

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あきゅろす。
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