[携帯モード] [URL送信]
澄香
 これからも私の手で守り抜くのが、母親としての役目なんだろう。ならば守り抜いてみせるよ、これから先何があっても。私達が再会したのも、きっとそういう運命だからなんだ。

 旅に出たいと相談を受けたのはもう一ヶ月以上前になるのだろうか、やはり血は争えないというか親に似たのかあの子は一箇所でじっとしてるのは苦手な部類に当たり、新たな『目的』を探しに行きたいんだそうだ。そのことを誰より最初に相談されたのは彼女に信頼されている証なのだろうか、少し嬉しく、誇らしかった。彼女は事実を知らないはずなのだがそれでも何か感じるものがあったのだろうか、もしくは私が知らずうちに感付かせるような行動を取ってしまったか。あの子は勘が利くから後者でもおかしくは無いだろうな。
 私はすぐに同行を申し出ようと思った。再会してからずっとこの手で守り抜いてきた大事な娘だ、それはこれからも変わらない。一番側に居て守ってやろうと思ったが一つの心残りが今の私にはあった。新しい居場所を、愛すべき者をこの地に作ってしまった。旅に出るとなると当然それらを置いていくことになるだろう。居場所は当然持ち運び出来るようなものではないし、愛しの彼女はその施設において重要な存在となっている。勝手な都合で長期間連れ出す事は出来ないだろう。
 だから少し娘に話を振ってみた。この地に居る大事な者達はどうするのかと。なにやら母も知らない『姉』がこの地にいるという話は聞いていたしそれなりに仲の良い人物もいるみたいだったし、真剣にその者達をどう扱うのか聞いてみたかった。すると余裕の笑みの後に大丈夫と頷いた。この地には1、2ヶ月に一度は帰ってこようと思っているから、と。まさか、こんなにも簡単な答えを娘から教えられるとは思ってもいなかった。おいおい、そんな短期間の『旅行』で本当に得られる物があるのかいと、すると自信満々の答えが返ってきた。景色を見るだけなら一日、目的を探すなら一週間、何かを学ぶなら一月あれば十分だと。我が娘ながら大した奴だ、と感嘆の息を漏らした。確かに、本当に目的を見つけたいというなら、ただだらだらしたような旅はしないだろう、この子は本気で世界を見、何かを探そうとしているのだ。真っ直ぐな瞳からその意思を感じられた。ここまで娘が本気なのだ、母親が負ける訳には、当然行かない。そもそも私もじっとしているのは苦手な部類。結婚したときも、この子を産んだ後も、何かと世界を飛び回っていた。だから、これは本心。この地は確かに良い所だし良い人が沢山居る。だが、私達の求める目的はここには無い。お互いの意見が合うのもやはり親娘だから、なのだろうか。

『解った。ならば私も同行しよう。丁度何の目的も見えなくなって退屈して居たんだ。』

 さぁ、今までほったらかしにしてしまった分、しっかり一緒に居てやろう。何があっても守ってやるよ。愛しい娘、鈴音。



***



Result

鈴音と共に世界へ目的探しの旅へ。
月1程度でこの街へ戻り、本部やキサラギ研究所に顔を出してます。

MVP:レイン・M・如月



***

・恐らく全ての設定が明らかになったら賛否両論でフルボッコなんだろうーと考えてました。それくらい思い切った設定になってます。まさかの既婚&ガチ子持ちキャラです。でもどう考えてもそれだと年齢設定がおかしいですよね?どんな家庭だったのかとかは隠し要素解禁された時のSSで詳しくやろうかなとか考えてましたが、いつか公開したいですね。
・キャラのイメージは特に深くは考えず、脊髄反射的にレスポンスをしているうちに固めて行くいつもの手法を取りました。伊藤姉妹と関連があるのは途中で思いついた後付設定だったんですが存外使う機会が無くて残念。
・隠し要素、トラウマ、共に解禁されずでしたが恐らく条件が難しすぎたのかとちょっと反省してます。ちなみに鈴音がアンデッドな理由もここにあります。あ、実は仲間内でも澄香の能力って謎なんです。
・澄香が鈴音の娘だということは当然鈴音は知りません。というか解るわけがありませんね、年齢的におかしいですし(澄香:25 鈴音:16)

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
無料HPエムペ!