[携帯モード] [URL送信]
弥生
 首から下げるは鳴らない鈴。繋ぐ鎖は愛の絆。影を食われた少女は、今日もそこに居た。

 一つ息吐き登り終えた長い階段の上、女の子同士の恋にご利益があるという神社があった。以前は作戦でここを襲撃しようかなどという話もあったが、今考えるととんでもないことだ。今の自分がその場に居たならば殴ってでも止めさせるべきだったろう。まぁそんな必要も無くその作戦は無くなったのだが。それだけ強い力がこの神社を中心に存在している。それは鈍感な弥生でも感じることが出来た。だからこそ、そのご利益にも期待してしまう、一つの乙女心。今までそういったこととは無縁だったが、弥生も立派な女の子。そういった『女の子らしいもの』への興味はもちろんあるのだ。

 鎖をくれたあの方へ、真っ直ぐに自分を見てくれるあの方へ、一番に自分を愛してくれる愛しいあの方へ。お礼という名目で何かプレゼントを贈ろう。どうせなら、女の子同士の恋にご利益のある、この神社のものを。あの方はどんなものが好きなんだろうか、渡すことが出来たらどんな反応をされるだろうか、なんと言ってくれるだろうか、そんなことを考えただけで動悸が激しくなり呼吸が苦しくなる。あの方の笑顔を思い浮かべるだけで体が熱くなり、顔が紅潮していくのを感じる。あの方の暖かさを思い出すだけで胸が締め付けられるような感じがして凄く切ない、でも辛くない、不思議な感覚。あぁ、これが恋というものなんだ。いつまでも慣れないこの感覚、これからもずっと大事にして行きたいと切に想う。

『私は今、恋をしています。』

 影の無い少女が夢見た恋は少女の新たな光となり、新たに影を浮かばせるだろう。



 プレゼント選びは夜遅くまで続いたそうな。



***



Result

現在は本部に残り、引き続きこの地区の能力者について調べているみたいです。但し、今度は無茶の無い方法で。
でも結構仕事をサボって街に出ては緋文さん探して歩いているみたいです。

MVP:桐生 緋文



***



・『後一人くらいキャラ作ろうか』と思っても中々案が出なかったのですがイベント入室の際に『落とされそうなキャラ』という指名を受け、今までのキャラじゃ無理だなと思って即興で作ったキャラだというのはもう有名な話なのでしょうか?(ぁ)
・『今のメンバーには大和撫子が足りない!』とか勝手に思いそれっぽく、且つ純粋なキャラに仕上げました。後々突っ込まれるまでハ○テのごとくのとあるキャラにイメージがそっくりなのに気付きませんでした(ぇ)心の奥底で『この方はこの子が好きだったな』というイメージがあってそれに副う形でこういうキャラ設定になってしまったのかも知れません。マジで無意識でした。(何)
・これだけ聞くとなんだか手抜き臭い感じもしますが実はそうでもなく。このとき何かが降りて来てたのか一瞬で深い設定まで決まってしまって自分でびっくりしてしまうくらいでした。だってこの時点で『影無し』と『鈴』と『家庭事情』の設定が決まっちゃったんですもの♪本当、綺麗に一本に繋がってね?自分を褒めたかったです。
『影無し』なのにミッションなどのイベントでは普通に見えてた意味とかも、いつか公開したいです。聞いて聞いて?ちゃんとした理由あるんだから(ぉ)
・特に大きな波乱も無かったような感じがしますがこれがもっとも良いエンディングだと思います。弥生のシナリオは『失敗したとき』が怖いだけで基本本人の性格通りまったり進行なので物足りなかったかもしれませんが;

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!