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‡雨‡
暗い夜に雨が降る──…
人工的な光しかない道で僕は独り
行き交う人は僕を知らずただ通りすぎるだけ
冷たい雨は体温を奪って──…
涙を流さなくなったのは僕の瞳だけど
心は止まない雨に凍えているんだ
凍えたものは心だけ？
何も感じなくなったのは心だけ？
この雨が全てを流してくれればいいのに
僕の手を真っ赤に染めたものも
僕の心を闇に染めたものも
全て無かったことになればいいのに──…
そうなればこの雨もあがるかも知れない
この体を打つ無数の雫が
一体どれだけのものを奪うのか
未来があるのかすら知らずに生きる
陽が昇るのかすら知らずに
ただ待ち続けて──…
いつかきっとなんて
人は必ず救われるなんて
ならば救いとは何なのですか──…？
こんな思いをしてでも
手に入れる価値のあるものですか──…？
夜が明ける
僕の姿が照らし出される
雨にまみれた僕は光に溶けて
罪の意識だけが鮮明に
雨は止む
そして僕以外は
また動いてく
深く冷たい泥濘は
永遠の孤独の淵…。
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