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306号室。
鈴たちの部屋同様、プレートに私の名前がある。
それから…、もう一人。

「柊光…か、」

柊光の文字。どうやら、この柊たる人物が私の同室者らしい。
ルームキーで、鍵を開ける。

中は玄関になっており…、靴が脱げるスペースがある。
というか…寮に玄関…?これ、ほんとマンションなんじゃないだろうか。

驚く私。そんな私に…、

「あん…んは…」

くぐもった声が耳に入る。


「やぁ…はげ…はげしぃ…、や…ずんずんしちゃ…」
「腰振ってるのは…どこの誰…、ですか…」
「んやぁ…ひか…る…さまぁ…、」

玄関から入って、すぐに、二つの部屋がある。
その右側の部屋から…なんとも艶めかしい会話が聞こえてくる。

―ああ、やっているのか…。
すぐに何をしているかぴんときた私は、不快感に顔を顰める。

私の同室者・柊光は、どうやらお盛んらしい。
相手は…どう聞いても男の声だ。

男を女の代わりにするなんて…、どうかしてる…。

私はそれ以上その声を聴きたくなくて…逃げるようにもう一つの部屋へと逃げた。

 どうやら、こちらの部屋は私の部屋だったようで、送った荷物が所狭しと置いてある。
部屋にはベットも備え付けられている。私は倒れこむようにベッドにダイブする。

「疲れたな…、」

小早川晴臣め…。私に任せろと言っていたのに。どうして鈴と同室じゃないんだ。
私の同室は…いきなり男を連れ込んでいるんだ…。
手違い…か…。だったらいいんだけど。

それ以上、色々考えるのを放棄した私は、そのまま寝に入る。

やることをやった柊が、私の部屋に侵入するなど夢にも思わずに。

次の日に待ち構えた、衝撃的な出会いなど、知りもせずに…。



 キャアキャアと黄色い声。
体育館に響く、騒音。そして…一際視線を集める、その人。
壇上の上。静かに、生徒を見据え、口を開く。

『お静かにお願いします…』

低い、耳触りのいい優しい、声。
記憶よりも幾分、低くなったその声。

「お…う…、」

 入学式。
幼い頃引っ越しで別れて以来会っていなかった王の生まれ変わりが、そこにいた。


Cumming…


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あきゅろす。
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