ハローウィン2013
☆☆
シーン
まさにこの効果音が付き添うなほど静まり返った。
牡丹がその言動をしたこともそうだが、何よりも牡丹の頭に装着された黒猫の耳と腰からピヨッと出ている黒猫の尻尾が激しく似合っているのだ。
現に、牡丹がコンビニで働いていたときに手当てをしてもらい心を捕まれていたものは鼻血を垂らしていた。
牡丹「俺、すげぇ空気読めねぇ奴じゃん。
君嶋さん、俺帰るよ。」
肩を落とした牡丹は、静かに事務所を出ていこうとした…が、
牡丹「うわぁっ。」
牡丹は驚いて声がでた。
それもその筈で、牡丹は後ろを振り返って見えなかったが蛍は獲物を見つけた野獣の様なギラギラした目で音もなく牡丹の後ろから抱き上げたのだ。
蛍「…半月振りに会えたんだ。帰るなよ。」
牡丹「いやいや。まだゴタゴタしてんでしょ?」
蛍「…蘭。後は大丈夫だな?」
蛍の問いに玉谷は頷いた。
蘭「えぇ。社長がこのまま牡丹さんに会えないで此方に居る方が邪魔なので、牡丹さん。すみませんが連れて帰って下さい。」
嫌みたっぷりの言葉に蛍は眉間がピクリと痙攣するが、今は腕の中の黒猫が何よりも優先だった。
蛍「な?俺はこれ以上牡丹に会えねぇのは御免だしな。」
牡丹「大丈夫なら良かったです。」
そこで、牡丹はフワッと一瞬嬉しそうに笑った。それを目の前で見た蛍はピシッと固まった後、無言で早足で事務所を後にした。
菖蒲「ハッハッハッ。蛍を振り回せる牡丹ちゃんすげぇなぁ。」
蘭「本当です。さぁ、要らぬ社長からの八つ当たりを受けてきた分狸親父にはしっかり迷惑料を取りましょう。」
玉谷の黒い笑みに組長は返事をして事務所を出た。
〜おまけ〜
蛍「牡丹。お菓子が無いから悪戯で良いぞ。」
牡丹「ブハッ!!!」
牡丹は蛍のソファに飲み物を吹き出し、泣く泣く掃除をするはめになった。
それも、その後の蛍からの「トリックオアトリート」に渡すお菓子が無くて、猫耳、猫尻尾に、フリルエプロン(何処から出した?)をつけられての悪戯を逆にされたのだった。
END
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