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赤い糸
☆☆☆☆☆☆

神谷に布団を片付けさせて、部屋の折り畳みのローテーブルを出してもらい親父と俺が並んで座り向かえに安斎さんが座った。

神谷は修吾さんの隣に控えさせて話を始めた。

先に口を開いたのは親父だった。

龍治「不可抗力といえ、そちらのシマで息子が騒がせた事は間違いありません。
息子と気付き此方に御連絡を頂けて助かりました。」

俺は少しばかり驚いた。

傷だらけの上、俺を親父の息子と知っているのは少ないだろう。

俺が疑問に思いながら安斎さんを見ればニヤリと意味ありげに笑われて、自分の頬がひきつるのが解った。

彗星「…あのチームは最近じゃぁ好きに暴れまわって数人の下の者が複数に囲まれてヤられてたからなぁ、元々目をつけてはいたんだ。
亜久玉の餓鬼が頭とは笑ったがな。

いや…それ以上に亜久玉を隠すための影武者にお前が担がれているのも驚いたもんだ。」

俺は唇を噛んだ。
そこまで俺を利用していたとは…隣の親父を見れば無表情に安斎さんを見ていた。

彗星「まぁ、お前の正体を知らねぇから出来た事だろうがな。
其処に座ってる奴等は幹部だが、あのチームの上の連中の素性を全て調べあげておいたらしくてお前の正体も解ったわけだ。」

安斎さんが説明を終れば眼鏡をかけたインテリ系の男が正座のまま一つ前にでた。

來「長谷組若頭補佐の霧島來と申します。
私が今回指揮を取らせて頂きました。彼処の倉庫は我々も勝手に使われては困る場所でして、強引ですが踏みいったわけです。
其処にいた十人は捕まえましたが、亜久玉とこの数ヵ月、亜久玉が連れている八雲楓は逃げました。」

俺は溜め息をつく。
チームの頭の一也が仲間を置いて逃げたこと。

八雲楓は喧嘩が好きらしく転校してくる前の町で族潰しとして暴れていたのは有名な話だ。

そして一也を好きになり、一也のチームをも自分の大切な仲間だと宣言したのも遠くない話。

そんな二人が仲間を捨てて真っ先に逃げたことは俺の中で最後の糸を切れさすことは安易だった。



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あきゅろす。
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