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赤い糸
☆☆☆☆☆

次の日。

朝飯を食べた後修吾さんの診察と包帯を変えてもらっている時に部屋の外が騒がしくなった。

龍之介「神谷?親父なら通してくれ。」

声をかければ襖がパシンと音をたてる勢いで開けられた。
そこには177pの俺より背の高い神谷や親父より少しばかり背の高いスキンヘッドで強面だが整った顔とオーダメイドだと解る海外の有名ブランドスーツが嫌味なほど似合う女が群がりそうな男が立っていた。

修吾さんは驚いたのか、手を止めていた。

龍治「安斎さん、ちょっとすいません。」

強面の襖を押さえる腕を下ろさせて横から親父が顔を覗かせた。

龍之介「親父…説明をしてくれ。」

俺の苛立ちを察して修吾さんは手当を再開させはじめて親父が溜め息をついた。

龍治「手当の最中に悪かったな。
此方は長谷組の若頭、安斎彗星さんだ。」

そこで何となく解った俺は修吾さんの手を止めてもらって姿勢を正した。

龍之介「本来此方から挨拶に行かなければならないのにすみません。
風間組頭、風間龍治の息子風間龍之介です。
この度はそちらのシマでの御迷惑。申し訳ありませんでした。」

下げていた頭を上げれば楽しそうな色を見せる黒い瞳と目があった。

安斎さんが俺が座る布団の側に胡座をかいて座るのを見て、親父と神谷は何か諦めるように小さく溜め息をついて親父は安斎さんと向き合うように俺の近くに座り、神谷はお茶を出すように近くに控えていた組員に指示を出した。

部屋の外に恐らくは安斎さんの付きの者であろう、見たことの無い組員が数人正座をして座っているのが見えた。

龍之介「申し訳ありませんが、包帯を変えるだけ待ってもらえますか?」

俺の言葉に安斎さんが頷くのを確認して修吾さんに視線を走らせた。

俺の痣だらけの体に親父の顔が歪むのが視界に入る。

龍之介「直ぐ治る。」

他の組の手前小さく呟くように声をかければ、親父は苦笑して俺の頭をグリグリ撫で回した。

修吾さんはそんな俺と親父とのやり取りに微笑んで、最後の包帯を巻き終えて部屋の隅に座り直した。



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あきゅろす。
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