赤い糸
☆☆☆
取り合えず俺は内臓も骨も異常がないと言うことで無理矢理に退院の許可をとってもらった。
俺は昔から病院が嫌いだ。
家の専属医の修吾さんに先生と話をつけてもらって病院を出た。
運転している神谷が何か言いたげなのが気になった。
龍之介「…なんだよ、神谷。」
俺が声をかければ視線を前に戻して口を開いた。
弥生「…帰ったら頭が会いに行くと言ってました。」
神谷の言葉に小さく溜め息をつく。
親父が俺を大切にしてくれてんのは解っているから別に可笑しいことは無い。
だが、態々神谷が報告してきて尚且つあの言いにくそうな顔を見れば要件はそれだけじゃないのだろう。
恐らくは
俺のリンチにあった場所。
彼処は長谷組の島だ。
そして倉庫。
そして乱入者。
俺は予想がつきすぎて溜め息しかでねぇ。
龍之介「…背負うときが来たかな。」
俺の呟きに神谷と修吾さんの肩がわずかに揺れた。
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