赤い糸
☆☆☆
ー安斎彗星sideー
目を閉じればあの日の真っ直ぐでブレない紫の瞳が思い浮かぶ。
「安斎さぁん。今の方どなたぁ?」
携帯が切れ、龍之介を思い浮かべていた俺に声をかけるのは隣についていた飲み屋の馬鹿女だ。
一度寝れば勘違いしやがる糞めんどくせぇ。
彗星「てめぇに関係ねぇだろ。」
「えぇ!!ひどぉい。ユキ泣いちゃう。」
俺は不快な物は嫌いだ。
俺は立ち上がった。
彗星「香水くせぇ糞女が。
気持ちわりぃんだよ。二度と俺の前に現れんな。
霧島。」
俺が呼べば横で飲んでいた霧島も立ち上がり、慌てて顔を出したオーナーへ挨拶をしている。
俺は煙草を吸いながら外へ向かう。
來「此からは安斎はこの店に来ることはありませんので。ボトルなどは処分しておいて下さい。」
霧島の声を遠くから聞きながら、思い出すのは龍之介。
三日後か…
一人で40人を片付ける。
相手は餓鬼とはいえ不良どもで、武器だって使ってくるだろう。
だがうちの馬鹿犬が噛み付いたときに見せた龍之介の自信。
馬鹿犬は狂犬のアダ名の通りに暴れまわる犬だだから名前を知っていたんだろうが、そんな奴を嘲笑う事が出来る実力を持っているのか楽しみだ。
馨も俺と霧島と共に見に行く気満々だ。
今日は龍之介を思い出しながら家で酒を飲むことに決めた。
ー安斎彗星side終わりー
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