愛しい人
雨の日の出会い
俺は小さなBARをしている晴海純(ハルミジュン)。
今日は酷い豪雨のため、常連さんも来ないようだ。
バイトの子は休ませて正解だったなぁと頭でボーッと考えてれば頭を軽く小突かれて振り向けば、キッチン責任者の重さんがイカツイ顔を更にイカツくさせていた。
「重さん?どうしたの??」
俺が聞いたら、重さんはずいっと美味しそうな料理を見せてきた。
「てめぇが、新作考えろって言ったんだろぉが!」
あぁ。そうだった。と思い出して、ありがたく受けとる。
一口口にいれれば蕩けるような美味しさで顔が緩む。すると、また拳骨が落とされたので涙目になりながら痛いと重さんを睨むと、真っ赤な顔を反らしやがった。
「さっさと感想を言え。」
と重さんから反らされたまま言われたが、味を思い出してまたも顔が緩む。
「最高だよ、重さん!!このケーキは女性客のハートを鷲掴みだよ!!また、重さんの料理ファンが増えちゃうなぁ。
早速メニューに入れちゃうよ。」
俺がベタ誉めしたら何故か溜め息をつかれてしまったが、俺は気にせずケーキに夢中になった。
「殆どお前のファンだっつーの。」
という重さんのぼやきは聞き取れなかった。
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