夢のような話 ☆☆ 雅也は家族のいない朱里の大切な家族だ。 喫茶店兼barである【朱】のオーナーである雅也に迷惑をかけないために、全寮制で特待生の立場ならということで学園に通っていたのだが逆に心配をかけたことを朱里は気にしていた。 そんな朱里の心も見透かしている雅也は自分で歩くと言った朱里の手を引きながら、これからの話をした。 「朱里。新しい学校なんだけど、俺の母校にしたらどうだい?」 その事に朱里より早く龍一が噛みついた。 「雅也さんの母校って偏差値は悪くねぇけど、不良校だろ?」 龍一の言葉は無視して朱里に聞いた。 「不良校だけど、悪い奴らばかりじゃないし何よりも家から徒歩15分。」 その言葉に朱里は苦笑しながら頷いた。 「なら、俺はそこで良いよ。」 雅也は嬉しそうに朱里に抱きついて、ギュウギュウ抱き締めた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |