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夢のような話
☆☆

カチャカチャ

沈黙が落ちるなか龍一が朱里の枷を工具で外す音だけが響く。

枷がつけられていた場所は擦れて白い肌が赤く腫れていた。

手早く手当てを済ませて包帯を巻き終われば朱里はその場所を軽く擦った。

「…お前まで学園辞めて良かったのかよ?」

朱里の言葉を聞いた龍一は苦笑しながら朱里の頭を撫でた。

「当たり前だ。親父も朱里まで巻き込んであの学園に入れたこと悔やんでいたぐらいだしな。
今回の騒ぎ雅也さんにまで伝わって、"早く朱里を連れ戻してこい!"って数人の組員がボコられてた。」

龍一の報告に朱里は額に手を当てて項垂れた。

「雅也さん…マジ何してんの…。」

龍一は朱里の呟きを笑いながら聞いた。

「そんだけ心配してんだって。」

「…わかってるっつーの。」

朱里の返した言葉に頷いて、龍一は少し考えるそぶりを見せて口を開いた。




「……転校先どうする?」

「ん〜。寮じゃなくて家から近いとこにしとくわ。」

朱里の言葉に頷いて、探しておくとだけ龍一がかえしたところで朱里は眠気に襲われて眠りについていったのだった。


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