夢のような話
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店内で忙しい時間帯を抜けて、朱里は雅也に上がるように言われた。
「朱里。」
朱里がエプロンをとったのと同時に龍一が一番奥のソファーから手招きをしていた。
龍一の近くには巫や純也、信号カラーが座って朱里をジッと見ていた。
「ハァ。雅也さん、ビール下さい。」
朱里からの注文に雅也は軽く笑い、グラスにビールを入れて渡した。
朱里はそれをもって空いてる龍一の隣に座った。
それがごく自然で、周りは龍一に軽く嫉妬して龍一は優しく微笑んで労るように朱里の頭を撫でた。
朱里はビールを一口飲んで煙草に火をつけて深く吸い込み吐き出した。
「…んで?なんだよ?」
疲れを軽く吐き出して、横目で龍一を見る。
優しく微笑んでいた龍一も真剣な顔をした。
「【神】の奴ら早速動いてるみてぇでな、折角同じ高校に通うんだ。
俺が居ねぇ時はなるべくこいつらといろよ。」
龍一の話を煙草を吸いながら聞いていた朱里は、周りの真剣な顔をしているメンバーを見て軽く欠伸をついた。
そんな朱里に周りがギョッとなる。
「…一緒にいるのは構わねぇけど、そう言う護衛的なもんならいらねぇ。
友人としてなら問題ねぇよ。」
朱里の言葉にメンバーは目を見開き、次には嬉しそうに笑った。
龍一は腑に落ちないのかムスッとしていたが、朱里が眠そうに目を擦り龍一に凭れたことにより一瞬で機嫌はなおった。
「俺達が彼奴等の好きにはさせはしねぇ。」
龍一の呟きに、朱里はウトウトしていたが周りはしっかりと頷いたのだった。
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