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夢のような話
☆☆☆

カランカラン

とまたもや鈴が来客を知らせてくる。

「朱里。」

レジで手が一杯の雅也が呼べば朱里がソッと顔を覗かせる。

警戒するように周りを見渡して、片付けをしてくれている巫を見てゆっくりとカウンターの奥から出て来て案内で入り口へ向かった。

出ていく常連客と入ってくる数人でごった返していた。

入ってきた数人の客と視線があって頭を下げる。

「いらっしゃいませ。」

そして頭を上げるとキラキラの瞳とぶつかってたじろいた。

「あ、赤狼さんだぁ。めちゃ嬉しい!」
「えっ!?マジで!どういうこと!?」
「…綺麗…。」

「よぉ。朱里じゃん。学園休みなのか?」

「「「「はぁ?」」」」

見知らぬ三人の赤、青、黄の信号カラーの男が興奮しながら朱里を見ていれば、その後ろから現れた長身の男の言葉に信号カラーと様子を見ていた龍一の間抜けな声が響いた。

あたかも知り合いの様な男は銀髪に鋭い黒と赤のオッドアイをして、ピアスやアクセをジャラジャラとつけていた。

朱里は怪訝そうに見て、次の瞬間には目を見開いて驚いた。

「お前…純也か?
久しぶり。っていうか、お前龍一のチーム入ってたのかよ。
その赤のカラコンいい加減辞めろよな。」

げんなりと純也を見る朱里の目は冷たい。
だが、純也は嬉しそうに笑うのだった。

「お前ら、知り合いだったのか?」

龍一の疑問に又もや朱里がめんどくさそうに純也を見て龍一を見た。

「知り合いじゃねぇ。」
「知り合いより深い仲に決まってんじゃん。」

二つの意見に別れて、しかも朱里はうんざりとした顔で、純也は見たこともないほどに笑顔だった。

「取り合えず席つけ、邪魔だ。」

朱里は説明を放棄して固まっている信号カラーと純也を龍一がいる奥の席へ手で指示を出した。

巫も手伝いの手を止めて固まっていたのを雅也に正気に戻されるのだった。

これからは喫茶店からbarに変わる時間帯で雅也は店の外のメニューを引っ込めに、朱里は皿の片付けやキッチン担当への指示と忙しそうに動いていた。

勿論そんな朱里を全員がガン見していたのだった。



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