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夢のような話
悪夢

小さな窓の外から学園の鐘が聞こえる。

花房朱里が生徒会長の座からリコールされ、反省部屋とは名ばかりの地下牢に閉じ込められて1週間。

「…………。」

朱里を陥れ閉じ込めた張本人でもあるかつての生徒会メンバーと、新たに生徒会長となった者達が朱里に会いにやってくる時間だ。

朱里は面倒くさそうに牢に背を向けて冷たい床に転がった。

「朱里いい加減、俺のモノになる気になったか?」

「…………。」

「相変わらず必要以上話す気はないの?
本当になら僕のモノになってほしいけど光輝に逆らって良いことなんて何一つ無いんだよ。」

偉そうに最初に話しかけた男は、新生徒会長の荒神光輝。
神ーKAMI ーと言う不良グループのトップでもあり、世界的にも有名な荒神グループの次男でもある。

そして最後に話した男は副会長であり【神】の副総長でもあり日本で古くからある茶道の家元の人間でもある笹都蘭である。

他の生徒会メンバーも【神】の幹部で業界でトップに並ぶ金持ちの家を持つのだ。

朱里は軽く欠伸をして、背を向けたまま答えた。

「…金持ちのボンボンの暇潰しに付き合う気はねぇ。俺は俺の好きに生きる。」

「ククク……。あくまで一匹狼でいるというのか。この辺りで二つ名を持つものは少ない赤狼と名を馳せ、その美しさならキングと呼ばれる俺の隣が相応しい。」

光輝の言葉に朱里は鼻で笑った。

「フンッ。なんだよセンスねー名前は。
その赤狼ってのも俺じゃねーだろ。」

朱里は誰とも群れることもなく、誰にも興味がないだけあって自分が有名なことさえ知らなかった。

蘭は溜め息を吐いて光輝に出るように促した。

「早く折れる事が貴方のためですよ。」

不吉な言葉を残して。

二人が出ていったあと、朱里はそっと目をつぶった。



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あきゅろす。
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