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キリリク小説
2
いつものように屋上で一人煙草を吸っていると、ドアが開く音が聞こえた。

(どうせ悪友の誰かだろうな…)

と思って振り向きもしなかった。

(…ああ、空が青いなあ)

ぼんやり思いながら灰を落としてたら急に後ろから手首を捕まれた。

「おい、何すんだよ」

ようやく振り向いた俺の手首を掴んでたのは──全く知らない奴だった。

チッと舌打ちをしてそいつを睨みながら言う。
「…おい。いい加減離せよ。」

俺の手首を掴んでいつまで経っても離さないコイツに文句を言うとやっと口を開いた。

「煙草なんか吸ってちゃいけませんよ、河合先輩」

何でコイツ俺の名前知ってるんだ??
不思議に思ってじっと見つめてると、ふいに指先が熱く感じた。

「熱っ!」

煙草の火を消してなかったからだ。
指先を少し火傷してちょっと涙目になりながら、未だ手首を離さない奴を睨んだ。

「早く離せよ!」

そう言って何とか離そうと必死な俺を後目にコイツはいきなり火傷した指を口に含んでねっとりと舐めてきた。


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