小説(長編)
2
どうせここでも"見える"奴なんていない……そう思ってた。
「なあ、橘〜俺てっきりお前が総代やると思ってたんだけど。」
何故か妙にハイテンションで突っかかってきてるのは小学校からのツレの三上光(みかみ こう)。
数少ない俺の力を知ってる気心の知れた奴だ。
「バーカ。俺より頭いい奴はそこらにゴロゴロしてるって言っただろ?!」
俺は特別頭が良いって訳じゃない。
たまたま中学ん時は頑張った成果で学年1位になってただけだ。
「そうだけどさあ。お前悔しくねえの??」
俺には理解出来ねえとか言いながら、光はギャーギャー騒いでる。
そんな光に俺はため息を吐きながら言った。
「俺が努力したよりも頑張ってた奴がいたってことだろ??悔しくないかって言われれば多少悔しいけど、仕方ねぇだろ??」
そう言ったら、光は俺の肩をポンと叩く。
「お前、本当高校生か??達観しすぎ……まあそこがお前の良いところでもあるけどさあ。」
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