小説(長編)
2
『……交渉?』
そいつはにやりと笑いながら問い返してきた。
「そう。あんたがここらのボス的存在になってるようだから。あんたと交渉がしたい。」
毅然とした態度をとりながら言う。
交渉は相手にまず信用してもらわなければならない。
そして相手になめられてはいけない。
──それが鉄則。
『あいつがオマエをよこしたのか?』
「まあ、結果的には。ここにホテルを建てたいのに工事が進まない、とだけしか説明は受けてないけど。」
肩を竦めて返事を返した。
交渉相手には嘘は言わない。
それが俺のルールだから。
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