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小説(長編)
真相
結局個室がいいという結論でカラオケ店の中へ。

音量を下げて向い合わせで座った。


「…で?どういうことですか?」

2人が兄弟だと言われてからよくよく見てみれば確かに感じが似ていたが。

俺が淳として合ってた弟は俺と自分の兄を交互に見ていた。

ちょっとして何か吹っ切ったかのように淳さんが話し出した。


「…最初はメールですごく気が合うなって思って友達になれればって思ったんだけど…だんだん惹かれていってた。顔知らなかったけど付き合えたらなって。」


顔を少し赤くしながら言う淳さんは可愛かった。

「でもさ、淳さんみたいな美形ならよりどりみどりなんじゃねえの?何で出会いなんか…って俺が言えた義理じゃねぇけど。」

そう。こんな美形ならお付き合いなんか放っておいてもホイホイきそうなんだけど。


そう言うと淳さんは困ったな…みたいな顔をした。


「確かに告白とかはされるんだけど…相手が…ね。」
すると弟が補足するかのように付け足した。

「兄貴はネコなんだよ、寄ってくんのは大抵ネコだから仕方なくだ。」
と溜め息。

「…は?淳さんが?」

…不躾だったがじっと淳さんを見てみたが男から見ても格好いい、というか整ってる?感じでどう見ても受ける側っぽく見えなかった。

「…意外だろ?」

苦笑しながら淳さんが呟く。

「君に会いたいって思った時、我に返って咄嗟に要の写メ送ってしまったんだ…。君のタイプって要のような感じだろ?ストライクってことはないかもだけど。」
自分よりは断然良いと思ったと申し訳なさげに言う。
それは俺と弟である要どちらにも対してだと伝わってきた。

それまでのメールのやり取りで確かに互いのタイプを言ったりしていた。


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