知らぬが仏・1(※18禁) アホエロ アカギがカイジにやさしくする話
「い……! 痛っ……、いてぇって、アカギ……っ!」
眉を寄せ苦悶の表情を浮かべるカイジに、アカギはうっすらと笑みを浮かべた。
小刻みにカイジの体を揺するようにして、さらに腰を進めていくと、カイジが鋭く息をのんで呻く。
「ぁぐっ……! う、ぅっ……」
痛みのあまり、涙が一筋、大きく見開かれたカイジの目の縁から零れ落ちる。それを唇で吸いとるように拭い、低く喉を鳴らすとアカギは大きく腰を使い始めた。
「あ……! い、いたい……ッ! いやだ、やめてくれっ……! アカギ……!」
嫌がって必死に首を横に振るカイジには全く構わずに、アカギは自分が達するまで、一方的にカイジの体を弄りつづけた。
「お前のやり方には、労りがないっ……!」
そんなことが何日か続いた、ある夜。
ベッドの上で向かい合ったカイジにそんなことを言われ、アカギは軽く眉を上げた。
「いたわり……?」
「そうだっ……!」
カイジはきっとアカギを睨みつける。
軽く息を吸い込むと、勢いこんで捲し立て始めた。
「毎回毎回、やりたい放題やりやがって……! ろくに慣らしもしねえでツッこむし、やめろっつってもやめねえし! お前はそれでイイかもしれねえけどなぁ、こっちはくっそ痛えんだよっ……! もっとこう、なんとかできねえのかよ!?」
「なんとかって……?」
おうむ返しに問い返され、カイジはすこしつっかえながら答える。
「っ、その、もっと時間をかけるとか、ちょっとずつ、ゆっくり、やるとか……」
アカギはいちど、ゆっくり瞬きし、ふたたび問い返す。
「つまり……、もっとやさしくしろってこと?」
「やさ、……っ! ま、まぁ、そういうことだっ……!」
アカギの口からでた『やさしく』という言葉に意味もなく赤くなりつつ、カイジは何度も頷く。
「なるほど。やさしく、ね」
独り言のように繰り返し、しばらくなにかを考えこむような顔をしたあと、アカギはニヤリと笑って言った。
「いいけど……後悔するなよ」
不敵に呟かれた言葉に、どういう意味だ、と問う隙もなく、カイジはアカギに唇を塞がれた。
いつもみたいに激しい口づけが降ってくると思い、カイジは体を強張らせる。
が、カイジの予想に反してアカギは軽く、啄むような口づけを何度も繰り返した。
カイジの肩からほんのすこし力が抜け、かたく閉じた目がうっすら開かれる。
「ん、アカ……」
探るような呼びかけに、アカギも片目をうすく開いてカイジを見たあと、ふたたび瞼を伏せて舌先をそっと差し入れる。
そして、それを受け入れたカイジの体を柔らかく押し倒した。
アカギらしからぬ穏やかな口づけに、カイジは驚きつつも感心した。
(なんだ……やればできるじゃねえか)
などという、カイジの上から目線の評価は、しかし、すぐに改められることになる。
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