よくじょう・6(※18禁)


「寒い。だるい。腹が痛い」
 結局、湯船には熱い湯をたっぷり注ぎ足すことになり、アカギとふたりで湯船に肩までつかりながら、カイジはぶつくさと文句を垂れ流す。
「大丈夫? カイジさん」
 他人事のような暢気さでアカギが問いかけると、カイジは怒りも露にぐるりと振り返る。
「この色魔……! 誰のせいでこうなったと……」
「まぁ……今回のことは、オレも悪いと思ってるよ」
「『も』ってなんだ『も』って! 完全にお前『が』! 元凶なんだよ!」
 牙を剥くカイジを軽くいなしつつ、アカギはひとつの提案を持ちかける。
「だからさ、カイジさん。今月分のガス代は、オレが持ってやってもいい」
「えっ!」
 カイジは一瞬顔を輝かせたが、すぐに疑わしげな顔になる。
 アカギの持ちかけるこういう話には、必ずなにか裏があると勘繰っているのだ。
 アカギはカイジの視線を受け、ニヤリと笑うと、湯の中で不穏に手を動かす。
「あっ! お、お前……っ」
 まだ柔らかいソコに指を挿れ、中の精液をそっと掻き出してやると、カイジの体がビクリと強張った。
 アカギは凶悪な顔で、カイジの耳にやさしく息を吹き込むように囁く。
「まぁ……あんた次第かな……」
「……」
 自分の体か、ガス代チャラか。
 悪魔の言葉を聞きながら、両者を本気で天秤にかけて悩むカイジであった。





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