ごほうび(※18禁)・6




 無言でひたすら自分を責め立てるしげるの荒い呼吸を聞きながら、カイジは陶然と瞳を潤ませていた。

 ヤバい。めちゃくちゃ、きもちいい……

 こんな場所で、まだ中学生の恋人に立ちバックで犯されている。
 絶え間なく続く後ろへの刺激もさることながら、その背徳感に腰が溶け崩れてしまいそうなほどの快楽を感じる。

 恍惚に身を捩れば、その拍子に自身を絞られたしげるが、小さな声で呻く。
「ごめん……あんまり、長く愉しませてあげられないかも……」
 せつなげに上擦った声は猫の鳴き声に似ていて、その響きだけでカイジは骨抜きにされてしまう。
 振り返れば、劣情に瞳をぎらつかせて獣のようなセックスに没頭するしげるの姿があり、普段なかなか見ることのできない本能をむき出しにした雄の顔がまた、カイジをのぼせ上がらせる。

 癖になってしまいそうだ。
 ずっとこうしてたい、とすら思ってしまう。
 ダメだ。こんなことしてたら、オレはダメになっちまうーー

「んっ、んくっ……んんんっ……!」
 カイジはうわごとのようにダメだダメだと繰り返したが、口に被せられた掌でくぐもって、しげるの耳には届いていない。

 激しい呼吸に胸を弾ませながら、しげるはカイジの背中にできる木漏れ日の陰影を眺め、のどかな鳥の囀りや子供の声に耳を傾けて、すぐにでもイってしまいそうになるのを、どうにか堪えていた。

 決壊寸前で抽送を止め、射精欲が落ち着いたら、ゆっくりとまた動き始める。
 なんどもそんなことを繰り返し、長くカイジの中を堪能していたが、男根にむしゃぶりついて離そうとしない淫乱な体に煽られ、とうとう限界がやってきた。

 カイジの頬にいくつも口づけを落としながら、しげるは痛みを耐えるような声で囁く。
「もっと、いっぱいしてたいけど……そろそろ、ヤバいかも……」
 切羽詰まったような掠れ声と、熱に潤んだ瞳、かすかに上気した頬。
 間近で見るそれらにカイジが惚けていると、しげるに耳朶をかぷりと齧られ、ぞくぞくして涙が出てくる。

 ぐずぐずに綻んだ後孔をガツガツと穿ちながら、しげるはカイジの口に被せている掌を外し、代わりに自分の唇で塞いだ。
「は、ぁんっ、んんっ……」
「……ん……っ」
 欲情に粘ついた舌をぬるぬると絡め合えば、上からも下からも濡れた音が響く。
 前立腺を狙って激しく突きながら、いつのまにか激しく勃起して白濁した先走りを垂れ流していたカイジのモノへと、しげるは手を伸ばす。
 握り込み、掌全体を使って根本から先端まで強めに扱き上げると、たった一往復しただけで、カイジのモノは木の幹に向かって勢いよく熱い精を迸らせた。

「……ッ!!」
「っ、は……」
 砲身からビュクビュクと迸る精液は二度目とは思えないほど濃く、あまりの気持ちよさにカイジは意識を飛ばしそうになる。
 だが、しげるが低く呻いて中に放った液体の熱さに、感じて身悶えしながらも、半泣きで文句を言った。
「あ、アホ……っ、中……っ」
「……ごめ、ん……」
 謝りながらも、しげるはカイジに深く挿入したまま、腰を震わせてとくり、とくりと精液を注ぎ込む。
 背中から縋りつくようにぎゅうっと強く抱き締められ、満足そうなため息を聞くと、カイジはなんかもうどうでもいいや、などと思考を放棄して、ふたりで迎えた絶頂の快感に惑溺してしまう。

 穏やかな風が汗ばんだ膚を撫で、太陽の光を浴びてきらきらと光る緑の眩しさに繋がったまま目を細め、

(こんなとこでサカって交尾なんて、ほんと、猫みてえ……)

 ふたりは同時に、こんなことを思ったのだった。



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