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10'こどもの日



「ヴァン!ヴァン!今日は何の日?」

小さな主と手を繋ぎながら中庭を散歩していた。
急に両手で引っ張られ、少し前屈みによろめく。
大きな瞳がある答えを心待ちにするようにしていた。

「何の日…ですか?ガイラルディア様の誕生日には少々早い気が…」
「違うもん!誕生日じゃ、なくてっ」

ぷううっと頬が膨れた子供は何かを不満に思ったのか口を尖らす。

「姉上が、僕とヴァンの為の日だって言ってた」
「…ああ、こどもの日、ですか?」

一つの単語に反応すると周りに花が咲いたように表情が輝いた。
…なるほど、マリィベル様がその様なことを。
あの方らしい。

「ヴァンデスデルカは、嬉しくないの…?」

子供は相手の感情にとても敏感だ。
言葉で現してはいないが、表情で感情を射ぬいてしまう。
嬉しくない…という訳ではないのだが、複雑なのだ。

「マリィ様からしたら、まだまだ私も子供…ですか」
「……?」
「いえ、何でもありません。ただの独り言です」

疑問符を浮かべていた主を抱き上げる。
前よりも少し重くなった気がする、だなんてことを考えながら。

「今日は男の子の健やかな成長をローレライが願う日なのですよ」

こどもの幸せと健康を祈る日。
家族が、両親が、親戚が、兄弟が、ローレライが、主従者が、主を。

「成長…?僕、大きくなってるの?」
「ええ、毎年少しずつ確実に」
「ヴァンデスデルカも?」
「そうですね」

頬をふに、とつつくと、気持ち良さそうに手背に擦りついてきた。
まるで、甘えたがりな猫の様に。

「僕、ヴァンみたいに大きくなりたいんだ」
「左様ですか」
「そしたら姉上を越えられるかなっ」

主にとって、偉大な存在の姉君を。
越えたい想いは一緒だ。

「屋敷に戻りましょう。きっとマリィ様が待っています」
「うん!」

屋敷に戻ったガイラルディア様は、抱き抱えてらているところを姉君に見られ「男らしくしなさい!」と渇を入れられた。




end.
2010/05/05

え〜っと、何がしたかったのか全く旨趣が見つかりません(汗
そしてヴァン×仔ガイは何故かいつも、場所が庭。
庭、楽チンなんです(笑
色々捏造もしてあるし、何だかヴァンはマリィ様にゾッコン(しかし叶わぬ恋

仔ガイは可愛いです。
気付けばガイ5才、ヴァン11才でヴァンは大人びてるなぁ…。
マリィ様も出したかったのですが、時間的に打ち切りました。

そして、私は書きたいネタだけ書くと力尽きます。
オチは毎回決めていません。
むしろ決まっている方が奇跡。
これからもオチに悩まされていくんだろうなぁ…。

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あきゅろす。
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