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シリアス・復讐心





復讐を、何の為に誓ったのさ
まさか忘れた訳じゃないだろうね




「やめろ…俺に、触るなっ!」

頭が混乱して、冷静に物を考えられなくなる。
理性が壊れてしまいそうだった。

「何、いきなり。少しは落ち着きなよ」

近くの手元にあった枕を侵入者に目掛けて放り投げた。
だがそれは簡単に避けられてしまう。
枕は壁に衝突し、そのまま床にずり落ちた。

「お前にっ…俺の何が分かるっていうんだよ、何も知らないくせに…!」

そうだ、誰にもこの辛さや憎しみや怒りなんて分かる訳がない。
今までずっと我慢してきたんだ。
どんな時も必死に自分に言い聞かせて、感情を心に抑え込んで。

「復讐を誓った癖にアンタはルークお坊っちゃんすらただ1人、殺せてないよね」

その言葉に反応してぎゅうと自分の爪が手にめり込む程、シーツを強く握り締める。
憎い筈なのに、殺してやりたい程憎い筈なのに。
殺すことを拒んでいる惨めな自分がいる。
復讐を誓った筈なのに。

「折角僕が力を貸してあげたっていうのにさ。とんだお間抜けさんだよねガルディオス伯爵様は」
「お前…さっきから何が言いたいんだ、何が目的なんだよッ!!」

すると侵入者は声に出さず口角を吊り上げ、笑った。
その笑みには光すら感じられなかった。
闇に包まれた、何かを感じる。
ゾクリと全身に悪寒が走った。

「だから…殺しちゃいなよ、憎くて憎くてしょうがないんだろ?」
「…ッ…!」

あそこまで悪魔に満ちた微笑みを生まれて初めて見た。

「何で手を出さないのか見ていて不思議だったんだ。それほどまで憎いのにどうしてさ?」

まさか、情が移っちゃった…なんて言うんじゃないだろうね?
今度はクスクスと笑い声が聞こえてくる。

「ああ、そうさ!俺はあんな奴1人――殺せない臆病者だ、…だけどな、」
「だけど…何だって言うんだよ。今までアイツを殺す機会なんていつでもあったはずじゃないか」

どこかで血迷ってしまっていたのかもしれない。
それとも、拒んでしまったのだろうか。

「お前の力なんて借りなくても復讐は果たしてみせるさ。その為に…今まで生きてきたんだ」
「ふぅん…まぁ、せいぜい頑張るんだね」

侵入者はすぅ…と部屋の隅の暗闇へと姿を消していく。

「アンタの顔が、憎い奴の返り血で染まるのを楽しみにしてるよ…」

それだけ言い残すと気配が完全に消えていった。
圧迫していた空気が正常を取り戻していく。

「そんなこと…分かってるさ、復讐の為にも…」

俺はルークを、皆の仇の息子をこの手で斬り殺す。





END.
UNDER.あとがき
09/09/09

◆あとがき◆
どうした、病んでいるのか自分。
そんなことはないのですが、シンガイを考えるとこういう方向にいきません?^^;←
甘いシンガイが書けないような気がするんですが…。
ああ、けど暗めのシンガイも好きです。
SSなのに長めになってしまいました(汗
プチ設定的にはルクたんへの復讐心が消えていないガイ様でお送りしました。

最後まで読んで下さった方々いましたらありがとうございました!

村瀬りんく


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