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10'お花見



「昼間に見る桜も良いと思いますが…夜桜の方が風流だと思いませんか?」
「それ、アンタだけだろ…」

ああ、そうだよ夜桜見に行こうなんて誘われた時は俺だって浮かれたさ。
多少…舞い上がり、いらない期待なんかしちまって。
俺は乙女かっつーの。
んな女々しい想像をした自分の頭はどうかしてる。

「下心が丸見えだぜ、旦那」
「流石ガイ。よぉくおわかりで」

語尾に気持ち悪い程のハートマーク。
仮にも外だ、ここは。
桜が室内に咲いているはずが無いのだから。
人気が無いと言っても外なんだってば、野・外。

「ライトアップされた桜を見ながら貴方に触れたいと、思いまして」

どうしたらそんな恥ずかしい台詞を本人を目の前にして吐けるんだっ…。
然り気無く髪に触れてくるなって、ああもう。
無駄に心拍数が上がるじゃないか…全くその顔にはとことん弱い。

「そんなこと言って変なことしてくるなよな」
「おや、変なこと…とは例えば?」
「アンタの常識の範囲内でよーく考えてくれ」
「ふむ…」

顎に手を添え、軽々しそうに物を考えているジェイドを横目で流す。
また、変なことを言ってくれるんだろうな…このオッサン。

「野外えっちは常識の範囲内ですよね〜」

ど、こ、が、だっー!
野外えっち…プレイ?のどこに常識の範囲が存在するんだ、おかしいだろ!!
あまりの予想外の返答に声を出すことが出来ずに固まる。

「旦那、よーく考えてみろ。今日は夜桜を見に来たはずだ」
「おや、私は桜を見ながらガイを抱ければ最高の花見だと思っていましたが」

抱く…とか、もっとオブラートに包むことは出来ないのか。
ふざけないでくれっ…獣じゃあるまいし、誰が外なんかで。

「それとも、夜より昼の方がよろしかったですか?」
「っ…いや、そういうわけじゃ」
「ガイはむっつりさんなんですね〜」

あまりのジェイドの図々しさに、わなわなと手が震える。
俺はどうしてこんなオッサンと付き合っているんだ…何故、振り切れない。

「それはズバリ私達が愛し合っているからです」
「勝手に人の心を読むなっ!」

野外プレイは必死に止めたものの、家に帰ってからジェイドに嫌と言う程愛されたのは言うまでもない。



「桜なんかよりもガイの方が何倍も綺麗ですよ」
「花と人間を比べんなって…」





end.
2010/04/11

(あとがき)
花見っ…花見ネタはどこへやら(笑
変態ジェイドにツンデレガイです。
最近めっきり文の表現力が衰えた気がします。
なので、ガイ視点なのです(汗
いちいちジェイドがガイにちょっかい出すシーンなどの2人の表情は、読んで下さった方のご想像にお任せします^^
ジェイドの髪に触れるシーンは、ガイはどんな可愛らしい顔をこちらに向けてくれているのでしょうか…v←

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あきゅろす。
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