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もしも明日世界が滅亡するなら



「…ってことは、俺の国も滅びる…ってか」

聞いてはならないような質問を陛下にした。
てっきり縁起でも無い、そんなことありえん…など鼻先で笑い飛ばすかと思っていた。

「成す術も無いというならば…諦めるしか方法は無いと思いますか?」
「そんなことないだろ」

もしも世界の滅亡、それは明日。
阻止すべき時間は微塵もない。
もちろん方法も、解決策も誰かが示してくれるわけではない。

「陛下はお強い、ですね」

いつでも前向きだ。
皇帝陛下の威厳なのか。

「ガイラルディアの方が強い」
「…何故です?」
「世界が滅亡…って言っても、どうせお前は人助けでも始めるんだろ」

呆れたような表情をしながら陛下は俺に向かって指を差す。
その指先に物も言えず歯痒い自分がもどかしい。

「世界の滅亡だぞ?しかも明日!」
「助けることなんて出来るわけ…ないですよね」

思わず苦笑の笑みがこぼれたが、そこじゃないだろと雑に突っ込まれる。
訳も分からずきょとん、としていると言葉が詰まってしまったように陛下は言うのを躊躇った。
何を言うつもりだったのか。
何を主張したかったのか。

「最期ぐらい、ずっと…恋人の側にいたいとか、よ…」
「…ああ、」

ぽすん、と何かを思い出したように手のひらを叩く。
すると見事に陛下が引っ掛かってきた。
大量の、苦情を交えて。

「お前っ…いい加減自覚しろよ…」
「いや…あの、陛下があまりにも可愛らしい発言をしたもの、で」
「はぁ?俺が可愛いとか言うなっ。考えるだけでおぞましい…!」

陛下は鳥肌が経ったらしく、完全否定していた。
なかなか乙女ちっくなことを言ってくれる、と思っただけなのに。

「陛下はそんなに俺に甘えて欲しかったんですか」
「当たり前だ。世界滅亡なんて嫌だが…お前となら、悪くない」

それは俺を誉めている…というか、素直に喜んでしまっていいのだろうか。
世界の滅亡…それでホドを見捨てたこの国が一緒に滅びると言うならば。
自分自身が一緒に滅びようが、何だって良いさ。

「それは光栄ですね、…ありがとうございます。陛下」

予言に縛られた世界が呆気なく滅亡?
それも、明日に。
例えば予言に書かれていたことならば、なかなか滑稽じゃないか。





end.
2010/04/05

(あとがき)
素晴らしくピオくんが乙女モードです\(^^)/
ピオくんはガイ様を慕っているのに、本人はそんな気全く無いらしいです。
実は突然の軌道修正です。
甘く終わらせようとしたら…なんと黒ガイに…!
そこまで黒くないので灰色ら辺ですね(笑


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