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VG1



もうお前は昔と同じ道を一緒に歩いてはくれないんだな、ヴァンデスデルカ。





「どうして…レプリカだけの世界だなんて…」


どう考えたって、馬鹿げている。
こんな非現実的な理想論。
昔のお前はそんな奴じゃ無かったじゃないか。


「この世界は縛られている。ユリアの残したスコアという呪縛にな」

「だからと言って邪魔だから…オリジナルを殺すと言うのか」

「それは仕方がないことだ」


偶然、買い出しへ行く途中に鉢合わせしてしまった。
ヴァンの姿を目の前にした瞬間、心臓が止まってしまうのではないかと思うぐらいに鼓動が高鳴った。
まだ、心の中の何処かで彼を想っている自分がいる。
決別しきれていない、昔のままの自分が。


「私の元に、戻ってくる気はありませんか」


会う度に何度も何度も問いかけられた言葉。
感情だけで容易く答えを導き出せるものではない。


「駄目だ…ヴァン。そんなこの世界を裏切るような真似は出来ない」

「そうですか。残念です…ガイラルディア様」


人気の無い路地裏、一度ヴァンが目線を下に伏せたと思えば瞳を見た時目付きが変貌していた。
鋭い、背筋をも凍えるような冷たい目。
思わず一歩後退りしてしまう。


「貴公は私の計画の為には必要不可欠な存在だ…。もう一度だけ、問いましょう」


道が後ろの壁によって塞がれる。
壁に手をつけ、目線をあちこちに外し逃げ道を探したが顔の脇に手をつけられる。


「私の元に…戻ってくる気はありませんか。ガイラルディア様」

「…っ!」


駄目だ、その瞳に見つめられては。
全てを吸い込まれてしまいそうだ。
押さえ付けたはずの感情がそれぞれ解き放たれていきそうで。


「俺の想いは変わらない。お前のその想いが変わらないのと同じように」

「それは…残念です」


一瞬で喉元を手で強く掴まれ一緒に顎を突き上げられる。


「っか、は…」

「私は貴公と一緒にホドの復活をこの目で拝みたかった」


息がしにくく意識が遠退いているのだろうか、視界がボヤける。
それもそのはずだ、足が地から浮いているのだから。


「しかし此処で貴公を殺せばさぞかし姉君が嘆かれましょうぞ」

「っな、せ…」

「…力が、足りてませんな」

「離せ、ヴァン!」


苦しさで出てはくれないと思っていた声が、一つの単語を聞いただけで力を持った。
強靭で力強く、どこか心の奥底で頼りになる力。


「そうでないと、面白くない」


クスクスと不気味なまでの笑みを浮かべられる。
瞬きをしている時間でさえ恐ろしく、悪寒が全身を駆け巡る。


「何が面白くない、だっ…!」

「貴公に男としての最高の屈辱を」


手首は片手で拘束されているだけのはずが全くビクともしない。
顔が近付いてきたかと思えば鼻息が首筋にかかり、そのまま耳へ。


「そして絶頂の快楽を味わうが良い」

「っあ…!」


異様なほどまでに耳元に集中していた為か、下の動きを見逃していた。
さすさすと股の下から前へ、大きな手はいやらしく行き来を繰り返す。





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