両方ツンデレ?
「…いつまでそんなガラクタ弄くってるのさ」
シンクの歪んだ瞳がガイの手に持っている音機関を写す。
ガイの動きがピタリと止まった。
「何だよシンク。構って欲しいのか?」
「バッカじゃないの。そんなわけないだろ」
からかったことがいけなかったのだろうか、シンクはそっぽを向いてしまった。
「どうしてお前はそうやってすぐ拗ねるんだよ」
再びガイの手が動き出す。
嵌めている途中だったボルトを手で回し始めた。
それを最後まで続けるときゅ、と音を立て完全に締まったことが確認出来た。
「別に。そんなガラクタ弄って楽しんでるアンタの思考が分からないだけさ」
「さりげに言うこと酷くないか?」
「否定出来ないってことは本当のことでしょ」
図星、とはまさにこのことか。
ガイには成す術がなかった。
「じゃあシンクには俺みたいに何かに没頭出来るような趣味、持ってないのかよ」
「趣味?」
「そ、趣味」
ざっと趣味と呼べるような物事を頭の中から掘り出してみたが当てはまるものが何もない。
そうなるとシンクには趣味というものが何なのかという疑問が生まれてきた。
「…例えば?」
「例えば…って、そうだなぁ」
逆に質問を返されてしまったガイは腕を組んで考える。
説明しようにもなかなか難しい質問だ。
「俺にとっての趣味は音機関をいじることだな」
「だからなんなのさ」
「つまり音機関は見ていて飽きないし俺はそれを触るのも好きだし、あと愛着が湧いてくるんだよ」
「…ふぅん」
無邪気な子供のように音機関のこととなると笑顔を振り撒く。
そんなガイの笑顔を見ていてもシンクは飽きないし逆に構ってやりたくなる。
「それじゃ、僕にとっての趣味はアンタってことになるのかな」
「…は?」
ガイの笑顔が急に止まった。
「だって今の例えに全てアンタが当てはまったよ」
「いやちょっと待てよ。おかしいだろ、それ…」
「そんなの、待てない」
胸ぐらを掴み簡単に唇を奪われた。
それはだんだんと激しさを増していく。
「…っ、んぅ…!」
舌が互いに絡み合い、ついには床に身体を押し倒された。
それと同時に唇同士が離れる。
「っぷは、…シンク、お前なぁ…」
「何、どうしたのさ」
「…ばーかっ…」
ガイは両腕をシンクの首に絡ませ今度は自分の方から近付き口付けをした。
それは長い長い口付けを。
END.
UNDER.あとがき
09/07/25
◆あとがき◆
シンクの趣味がガイ様…って、おま^^w
簡単に言うとシンクが音機関に嫉妬した、という内容です。
シンガイはシンクがガイ様にすごく嫉妬すると思います。
嫉妬というか、執着心というか。
例え相手が音機関であろうともシンクは嫉妬していそう。
完璧束縛タイプですね〜。
村瀬は嫌いです、束縛。
ガイ様はそれが逆に嬉しいのかな…^^?←
最後まで読んで下さった方々、ありがとうございました!
村瀬りんく
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