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clap10



――寒い、
どうしてだろう、足の先の感覚が程遠く感じられる
本当に熱を持っているのだろうか
まるで、冷めきった屍のようだ

寒い――、寒いと思っても何もしなければ、変わらない






「…ん、なっ」
「……」

揺さぶられている?
誰かに声をかけられながら。

「おい、旦那」

名前を、呼ばれたのだろうか。
私の名前を、誰かに。

「ジェイドッ起きろって」

諦めてうっすらと瞳を開ける。
視界にはガイの顔がこれでもか、と言う程に大きく映った。
思わず、かけていたはずの眼鏡がズルリとバランスを崩す。

「…ガイ」
「そうだよ、俺だ。やっと夢からお目覚めかい?」

苦笑しながらも、ガイは床に落ちてしまっていた私の読みかけの本を拾う。
しおりを挟んでおいたはずだが、見覚えのないヶ所で止められていた。
それ程までに記憶が止まってしまっていたのだろうか。

「…寒い、ですね」
「当たり前だろ。暖炉もつけないでブランケットもかけずに椅子で眠りこけてたんだからな」

俗に言う居眠り、か。
疲れが溜まっていた気もしなくはないが、自分にしては珍しい。

「暖かくしていないと風邪引くぞ」

ガイはそう言うと暖炉に専用の薪を脇から数本焼べていく。
その後ろ姿をまじまじと見つめた。

――ああ、寒い。
身体が熱を求める。
目の前の、無防備なこの男の熱を。

「ガイ」

名前を呼ぶと直ぐ様金色が揺れ、振り返ってくれた。
ちょいちょいと軽い手招きをすれば疑いもなく、やってくる。

「――どうしっ…!」

引き寄せるように滑らかで、けれども強引に。
身体を密着させ、腰のラインを擦りながら徐々に手の位置を下ろしていく。

「なっ、にして…」
「…このまま…」
「はぁ?」

手に持っていたはずの本はまたしても知らないページを開き、俯せに。
薪はパチンッと音を立て燃えていく。

「寒いので、暖めて下さい」

ガイの身体に顔を埋めていく。
それは少し小さな声で、ポソリと呟いた。
理由を聞いてくることなく、さらりと受け入れる。

「…じゃあ、暖炉が暖かくなるまでの間だけ、な」
「はい」

密着した身体と身体。
人肌は人肌と混じり合い、互いに共有する熱を持つ。
うずくまり肩に顔を埋め長い時間、ガイの行為に甘えていた。





END.
2010/01/17〜02/14

◆あとがき◆
ネタを考えた時、すごく寒かったんです。
Gが寒がりなのもいいけれどもJが寒がっている話もいいかな、と。
視点を変えればGJになった気もしなくはないです^^;
あれ、最近こんなのばっかりですね…いやJGですよ、JG。
腰さすっている所なんか徐々に尻をもみもみしているという裏設定有りです(笑
最後まで読んで下さった方々いましたら、ありがとうございました!

村瀬りんく

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