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おまけ
おまけ
前花火拍手ボツ小説
少しパロ設定有り





たまには2人でデートなんて息抜き、良いじゃないか。


「やはり予想通り込んでいますねー」

「まぁ、な…」


目の前に広がる光景には人、人、人と賑やかな露店の数々。
このところジェイドは仕事続きで会社に泊まり込みが多く、なかなか会える機会が少なくなっていた。
だが今日は地元の花火大会ということもあり、夏らしく浴衣を着て2人で久しぶりのデート。
…と言っても、周りの人たちに決して気付かれてはいけない。
旦那と俺が、恋人同士で…しかも同棲までしているなんて。


「って、…う、わッ?!」


人が多ければ人口密度も増えるわけで、後ろから行き違いに知らない誰かの肩が当たった。
靴は普段履き慣れていない下駄。
当然バランスを崩して進行方向に倒れていくしかなかった。
受け身なんて、こんな格好ではとれるはずがない。
恐怖のあまり目をつむった。
やばい、転ぶっ…!


「ガイッ?!」


ドサッ…と大分派手な音を立てて転んだ。
――いや、転んだにしてはどこも痛く…ない。
どういうことだ?!と、疑問に思い、眉間に皺が寄ってしまうまで強くつむっていた目をゆっくりと開けた。


「痛っ…大丈夫ですか、ガイ」

「な、何で旦那が俺の下に…って、ええっ?!」


転んだかと思っていた俺はよく見ればジェイドの身体の上に覆い被さっていた。
よく見ればジェイドの浴衣の胸元はだらしなくはだけていてその、目のやり場に困る。
…じゃなくて、これはまるで体勢的に俺がジェイドを襲い倒したような形になっていた。


「うわ、ごめん!旦那、そのっ…」


ぱっと瞬時にジェイドの上から身体を起き上がらせる。
俺の戸惑いように、道行く女の人から笑い声がくすくすと聞こえてきた。
恥ずかしいっ…穴があったら入りたい、とはまさにこのことだ。


「…怪我は、ありませんか?」

「え、あ…、ああ…」


ジェイドはすくっと身体を起こし、ぱぱっと服に付いた汚れを払い浴衣の前を整えた。


「それなら良いのです。さ、行きましょうか」


同時に手をこちらに差し伸べられた。
その意味が分からなかった。


「…なんだよ、この手」

「また先程のようなことがあっては困るので、手でも繋いで行こうかと」


それは…そうかもしれないが、いやいやそれ以前に男が男と手を繋いで一緒に歩いているとか絶対に周りから怪しい目で見られるに決まってるだろ、みんな引くだろっ!!



「は、恥ずかしかった…!」

「私は楽しかったですよ」


一体どんな神経してるんだ、このオッサンは。
手を繋ぐことが恥ずかしいので拒んだものの、強制的に手を握らされた。
夜店が多く並ぶ道を歩いていたもののやはり見ている人は見ているもので、他人と目を合わせたくないが為にずっと顔を伏せていた。
未だに顔の火照りが沈まない。


「…!そういえば、そろそろ花火が打ち上がる時間じゃ…って、ここどこだ!!」


キョロキョロと周りを見渡し、気付けば知らない場所に自分はいた。
遠くから人の賑やかな声はするものの木々が邪魔して姿までは見えない。
どうやら、ジェイドに手を繋がれたままこの場所に移動されていたらしい。


「やはり人混みにいては窮屈ですからね、誘導させて頂きました」

「これから花火が始まるっていうのに、これじゃあ来た意味ないじゃないか…」

「…案外、そんなことはないみたいですよ」


落胆していた、その時。
1本の破裂音が鳴り響く。
木々がおおい茂る上空に手元を照り光らす大きな花が、咲き開いていた。
それはほんの一瞬で儚く、けれども見とれてしまうほど花火にしては綺麗で。
しばらく空を眺めながら言葉を失っていた。


「どうやら、計算通りのようですね」

「計算通り…って、どういう意味なんだ?」

「そのままの意味です。簡単なことですよ、花火の射程距離と位置を予測してその高さから花火が綺麗に見えるであろうポイントを割り出せば、終了」


そんなことを考えていただなんて、ただ単に俺に恥ずかしい思いをさせてからかっているだけかと思っていた。


「それに人混みは好きではありませんし、出来るなら2人だけで花火を楽しみたかったので」


少し…見直した。
そこまできちんと俺のことを思っていてくれていただなんて。

夜空に映える花火は勢いを増し、何発も打ち上がり始めていた。





END.
09/09/05

◆あとがき◆
浴衣…?というかちゃんちゃんこ…?(笑
あれ、なんだっけ小さい男の子が着るやつ。
やじろべえ?←
下に履くのは下駄なのか?
下駄…(笑
無駄に長くなってしまったので途中でブチ切って終わらせました。


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