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*09'ハロウィンネタ
微裏です




「陛下、失礼しま…」
「トリック・オア・トリートォー!!」
「う、…わぁあっ」

ドアを開けたら勢い良く飛び掛かってきた人物に押し倒され、視界が反転していた。
飛び掛かってきた犯人は誰だか、言わなくても分かる。

「よぉ、ガイラルディア!」
「…陛下、重いので退いてくれますかね…」

押し倒しておきながら謝罪を言うわけでもなく、相変わらず陽気な方だ。
顔を近い程密着させられてから「ああ、すまんな」と、はにかんで笑いながら軽く流された。

「というか、なんて格好してるんですか」
「ん、これか?ハロウィンと言ったら仮装だろ。だから吸血鬼だ」

黒を纏ったマントとスーツに、胸元には赤い蝶ネクタイ。
いつものストレートな金髪は赤いリボンで後ろに結んである。
なんと口には八重歯まで、ただのハロウィンの仮装にしては実に本格的だ。

「どうだ〜似合ってるだろー?」
「は、はぁ…ハマり過ぎてて怖いような何と言うか」
「ぷっ何だよ、それ」

仮装までして楽しんでいるところを見ると、この後何か付き合わされるんじゃないか、と心配になる。
陛下の後ろには鮮やかな色をした包装紙に包まれたお菓子と、仮装用であろう様々な衣装の数々。

「そうだガイラルディア、お菓子くれないと悪戯するぞ?」

いつの間にか、陛下は俺の身体をくっつけて密着させていた。
これは何をされるか分からない…早く用意しておいたお菓子を差し出してしまおう、とポケットに入れておいた飴玉を取り出す。

「ちょ、待って下さい陛下…お菓子なら、ここにっ…」
「そんなものは、いらん」
「…え、」

手に持っていた飴玉が転がり落ち、音を立てて床に転がった。
陛下が首筋から肩にかけてするりと手を這わした、と思えば瞬時にそこへ吸い付いてきた。

「っ…、へい…かっ」

わざとらしく、ちゅ…くちゅ…とみずみずしい音が耳の近くから聴こえてくる。
陛下の身体を揺らしてみたが、しつこいぐらいに一点に集中していた。
すると八重歯だろうか、肌にくっとめり込んだ。

「っあぁ…!」
「…は、っ」

陛下が唇を離した際には銀色の糸が伝い、象牙色の肌には華やかな花が咲く。

「何だ、今ので感じたのか?」

陛下が口から溢れた唾液を拭いながら、にやにやと顔色を伺ってくる。
図星なだけに否定することは出来ずに、言葉が出てこなかった。

「…何ですか、急にっ…」
「俺は吸血鬼。お前は民間人。ってことで、喰われるのはガイラルディアの方だろ?」

いつ決まったんだそんな設定…と、突っ込みを入れたいところだったが仮装させられるよりはいくらかマシかな、と悟った。

「…そんな冗談付き合うの今日だけ、ですからね」

そうしてはまた、吸血鬼はもう片方の肩へと八重歯を立てて吸い付きにいった。





Trick or Treat!

END.
09/11/01

◆あとがき◆
ちょっと長めになってしまいましたね。
ピオくんは仮装が好きそうだったのでさせてみちゃいました吸血鬼。
想像すると、結構ハマり役すぎてガイ様の言う通り怖いような…^^;
吸血鬼ですからね、ガイ様の血を吸ったというか何と言うか。
悪戯好きなピオくんはお菓子を貰っても満足しないご様子でした。
あれだけでガイ様あんな声出しちゃうとか、淫乱過ぎでしたかね…多分腰砕けてましたよ。
まぁ、書いてて楽しかったので良しとします。
そのままコスプレしても良かったな、にゃんことかー^^

最後まで読んで下さった方々、いましたらありがとうございました!

村瀬りんく


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