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ファブガイ女装ネタ

フリリク愛人設定の公爵ガイの続編です。(ぶーぶーさん宅へ飛びます)
※復讐設定のないガイ
※女装です。そしてアホエロス話です
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ガイはゆっくり天を仰ぐ。そこには澄み切った青空が広がっている。
中庭に流れてくる風は熱を孕んでおり、空を仰ぎ見るガイの汗ばんだ肌をゆるく撫でていく。
「あちぃー、ちょっと休憩しようぜ」
ガイの真向かいに立つルークは滴る汗を無造作に手の甲で拭う。
そして彼の部屋のテラスに向かう。テラスに置かれたテーブルには二人分のタオルと冷たい水が用意されている。
ガイも素直にルークの後に続く。手にした木刀をたてかけると椅子に座る。
このタオルや水差しを用意するのは俺の役目だったんだがなあ、とそっと溜息を零す。


ガイ・セシルは数カ月前、一使用人から雇い主である公爵の愛人という立場に突然据えられてしまう事となった。しかも夫人公認で。
夫人であるシュザンヌとメイド達が、公爵とガイの関係に対してかなり好意的であった。
その空気が皆に伝わり、そして彼女達の特殊な熱気に呑み込まれ、今となっては屋敷全体容認ムードに包まれている。
この事に今だに異を唱え続けているのは、一人息子であるルークと執事であるラムダスだけである。
いや、もう一人。
否応無しに愛人に据えられたガイ、本人である。


「どうやったらこの屋敷抜け出せるかな」
頬杖つきながら冷たい水が注がれたコップに口をつける。
ガイがこの屋敷を脱走しようとした回数は両手では足りない程だ。
悉く白光騎士達やメイド達に阻まれて失敗しているのだが。
「……俺、頑張って抜け道探してやる!一緒に駆け落ちしような」
ルークがガイの手を掴むと、力強い言葉をかける。
「お前なあ、駆け落ちじゃないだろ。言葉まちがっ…」
「お久しぶりぃぃぃ!!!相変わらずのハンサムボーイね!」
ガイの言葉を遮る野太い声が中庭に響き渡る。
「あれは…」
「ひっ、な、なんだ、あの化物…」
野太い声の主に視線を送ったルークは瞠目し、身体をぶるりと震わせた。
2メートルを超す長身。体重も三桁いっているのは間違いない。だがその身体は格闘家の如く鍛えあげられている。
そんな体躯の男が、顔は白くぬりたくり(だがもう青ひげが顎をおおいはじめている)唇は真っ赤な口紅がのせて
フリルいっぱいのブラウスに身を包み、ショッキングピンクのボトムスを履いて腰をクネクネ揺らしながら駆け寄ってくるのだ。
ルークとガイの汗は一瞬にして引き、そして彼らの背筋を凍らせた。
「今日はお届けものをもって参上したの」
「お、お、お届けもの?」
ガイの声が上ずるのは仕方ない。ルークは魂を抜かれたように男、いや、オカ…、いや異性装者をポカンと見つめている。
「そう、公爵様から頼まれていたものがようやく完成したのよ。ウフ。で、早速身につけておくようにって公爵様からの伝言もいただいているわ」
「またろくでもな…うわっ」
ガイの公爵への罵倒は最後まで言えずじまいであった。なにせまた異性装者が軽々とガイを肩に担ぎ上げたからだ。
「赤毛のハンサムボーイも時間があったら全身を磨き上げてステキに変身させたいわ。でもそれはまたの機会にね」
ウィンクして投げキッスまで寄越されたルークは、真っ青な顔をぶんぶんと横に振りながら、黙って広い背中を見送るしか出来なかった。


******


「クソっ、どうやって外すんだ」
浴室そばの洗面台の鏡の前でガイは苦闘していた。
鏡に背を向け、両腕をそれぞれ肩の上と下から回し、ファスナーを下ろそうと懸命の努力をしているところだった。
一刻ほど前、中庭に来襲した性別を超越した存在に荷物のように担ぎあげられ、そのまま自室に連れ戻された。
そこに待ち受けていたのは同じように性別を超えた、いやあるいはヒトという枠を超越した精鋭のオカマ達であった。
「さあ、お着替えタイムよ」
といって取り囲まれ否応なく衣服をひん剥かれた時、ガイは「食われる!!」と貞操の心配より先に食料にされる恐怖がたった。
その有無を言わせない迫力に押し負けて、おとなしく彼らのされるがままでいた。
終わって鏡の前に立ち己の姿を直視して漸くガイは我に返った。
「なんだこれ!!!」
驚愕するガイの後ろで「あらん、やっぱり似合ってる」と性別超越者たちはキャキャと浮かれている。
ファブレ家のタイトなメイド服ではなく、ゆったりとしたラインを描く濃紺をベースに白いフリルのついたエプロンドレスを着ている自分に驚愕しているガイがうつっている。
ご丁寧に短い金色の髪にはフリル満載のヘッドドレスまで乗せられている。
「こ、こ、これ」
「ファブレ家やキムラスカ王家のメイド服も素敵だけど、やっぱりクラシカルなエプロンドレスが素敵よね」
「いや、問題はそこじゃない」というガイの言葉に「大丈夫、凄く似合ってるわ」と返してきて、会話が全く噛みあわない。
「あのなあ、なんで俺が女装なんて」
「さあ、あなた達帰るわよ、申し付けられた事はきちんとやった?ええ、そう、あれよ。ん、オッケーね。じゃあまたね、金髪のハンサムボーイ!」
ガイの抗議など耳に入った様子もない彼らは、さっさと支度を終えて嵐のように去っていった。
取り残されたガイはまず頭に乗せられたヘッドドレスを床に叩きつけて
「あの野郎!!」とこの場にいない赤毛の主人を罵倒した。
それから服を脱ごうと試みるが、ファスナーが背中にある事にまずは戸惑った。
世の女性達はどうやって脱ぎ着しているんだ、と少し考え、それから鏡の前で行えば容易いと思い至った。
姿見の前にたち全身を映すと、人生に対して虚しさが一気に押し寄せてきたので、洗面台へと移動することにした。
そういうわけで、背に腕を回しながらメイド服のファスナーを下ろそうとガイは悪戦苦闘していたのだ。
その事ばかり意識していた為、部屋に公爵が入った事に気づくこともなかった。
そのため
「何をしている」
と急に声を掛けられ、文字通り「うおっ!!」と叫んで飛び上がった。

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