公爵×ガイ 好きでこんな行為を続けている訳じゃない。 身体を隅から隅まで何処まででも手が嬲る。 その手を決して拒んではいけない。 一方、己の手は毎回一つに拘束される。 拒否権が、無いのだ。 例え、色づく胸の突起物を弄ばれたとしても。 萎えた性器を握られ上下に擦られたとしても。 排泄器である唯一の穴を、指で犯されたとしても。 気持ちでは拒んでいても身体はそれを受け入れることしか許されない。 下準備は万全の状態である。 何故なら、その手を決して拒んではいけないからだ。 「我慢出来ぬのなら、上手に甘えてみればいいものを」 それが出来るのであれば、とうにしている。 そのようなふざけた言葉をほざいている余裕があること自体に腹が立つ。 だが、その想いとは裏腹にすっかり火照りきった身体をどうしたらいいものか。 わずかだが相手に立ち向かう為の理性と気力は残っていた。 問題は裸のままの己の身体と、拒むことが出来なかった愛撫を全て受け止めてしまった性感帯の方である。 「だらしなく先走りを漏らしながら睨みつけているだけでは何も変わらないぞ」 いちいち言葉で威嚇してくれる。 有利な立場にいる為、どんなことをしても許されると勘違いしているのではないか。 いい御身分だな、と目で訴えてやった。 「その反抗的な目や態度が己を苦しめていることに何故、気が付かないのだ」 高貴なベッドの上で、獣のように四つん這いにさせられる。 腰を突き出すよう持ち上げられると尻を平手打ちされた。 部屋に響いた音の大きさと後から沁み出てくるような熱い痛みから、そこが真っ赤に腫れ上がっていることが予測出来た。 平手打ちされた衝撃により、性器が先走りを垂らした瞬間を目で捉えた。 「うぁ、あッぐ…ああ――ッ」 異物が容赦無く体内に侵入してくる衝撃に声を張りながら身じろぐ。 無理矢理押し入ってきた異物を拒否しようと身体で抵抗するが、その反応は相手を悦ばせるだけで、逆効果のまま終わってしまう。 脳内で何かから解放された感覚に陥ったかと思えば、塞き止めていた筈のものは意思とは裏腹に達していた。 小刻みに揺れては先走りとは比べ物にならない量でシーツを汚している。 「まだ先端部分しか挿ってないと言うのに…」 先端だけでも十分だ。 腹を圧迫させられる感覚により、呼吸すらもままならない。 その衝撃に締め付けられている手首の縄がギチギチと音を立てた。 尻にあいつの性器を突っ込まれている自分の姿なんて考えたくもない。 こんな、下劣な奴の夜の相手をしている醜い自分の姿なんて…。 「あ、はッ、〜〜ッ!!」 一番膨らみがある根元まで収まった。 視覚で確認しなくても、肌がぶつかる感覚で理解した。 侵入を果たした性器が自我を持つかのように脈打つ。 胸の奥で頼むから早くイってくれ、と懇願する自分がいた。 「さぁ。私が果てるまでお前はあと何回先に果てるというのだ」 慣れてきた為、ある一か所ばかりを腰を振りながら狙っていた。 公爵はその度に飛び跳ねては反応を繰り返す身体を背中から嘲笑う。 抜き差しが始まると、身体と一緒にシーツで擦れて胸の突起物が勃起していた。 律動は止まらず繰り返される。 意識が朦朧とし始め、先程達したばかりの性器が硬度を取り戻していることに気付かない。 「そろそろ…か。獣が目を覚ますのは」 獣は快感を得る為に目を覚ます。 end. 2011/05/04 (あとがき) 公爵×ガイを書くペースが一年に一本てどういうことなのさっ…。 話の流れも糞もありませんが、いつになってもうちのガイは公爵にデレません。 そして毎回、うちの公爵はおしゃべりさんです。 言葉責めが大好きなようです^^ 獣とは、もちろんガイのことです。 ガイは初っ端から「好きでこんな行為を続けている訳じゃない」とか拒否権が無いとか言っておいて、ちゃっかり最後の方では公爵に開拓させられた身体で理性どっかに吹っ飛んでんでるよね、とかどうでもいい補足が有ります(笑 [戻る] |