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甘々





「…あ、」

空に濁った雲をバックに、うっすらと七色の虹が現れていた。
おでこに手を支えながらいつまでもそれを眺めてしまう。

「何か見えるのですか、ガイ」
「ジェイドか。虹が見えるんだ、ほら」

指差した方向に先程よりもくっきり映った七色の虹。
少しだけ架かっていた虹の橋は綺麗な半円を描いていた。

「ああ…虹、ですか。向こうの方で雨でも降ったみたいですね。風が湿っていますし」
「綺麗、だな」
「…そうですねぇ」

2人して、空を眺める。
ジェイドはちらりとガイの方へ視線を送ったがそれでも気付いていないようだった。

「なぁジェイド」
「何ですか?」
「虹の向こう側って…どうなってるんだろうな」

ガイの疑問に思わずジェイドは返答に詰まった。
詰まった…というより固まった、という方が合っているかもしれない。

「随分貴方らしくもない…メルヘンな質問ですねぇ」
「っ、な…!」

予想外の返答にガイは顔を赤らめた。
それを見て気を良くしたジェイドはするり、とガイの頬を手で擦り寄せ顔を向き合わせた。

「それではいつか2人で行ってみますか?貴方の言う虹の向こう側、というところまで」
「…アンタらしい、くっさい台詞だな」
「おや、最初に言い出したのは貴方でしょう?」

空に架かっていた虹はいつしか雲と一緒に消えていた。
眺めていた空にはパレットに出した絵の具のような青色の空が遠くまで広がっていた。





END.
UNDER.あとがき
09/10/11

◆あとがき◆
制作時間40分ぐらいなのですが^^;
今日夕方空に虹が出ていたので。
まさにSSの内容と同じで薄かった虹はくっきりとアーチを描き消えていきました。
「虹なんて見るの、何年振りだろうな…」
なんてことをガイラルディアに言わせたかったのですが長くなりそうだったので、ね。
それにしてもガイ様がメルヘン全開です。
可愛いなコノヤロー。
幼少期にヴァンと2人で虹を眺めていたら良い、な。

最後まで読んで下さった方々いましたら、ありがとうございました!

村瀬りんく


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あきゅろす。
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