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妄想圏外区域
A


「士郎、ごみ出し頼んでもいいかしら?」

「うん、いいよ」


一夜明けて今日は土曜日。部活はお昼からだし宿題もないしで、のんびりできる。まあたった今ごみ出しの仕事が入ったけど。

緑色の大きな袋を二つ持ち上げて階段へと向かう。
僕の家は6階建てマンションの6階。つまり最上階にある。エレベーターが付いてないから上り下りは凄く大変だけど、いい運動になるから苦とは感じない。

僕はそこで母さんと二人で暮らしている。

父さんは単身赴任で福岡に行っていて、双子で弟なアツヤは寮生活なので滅多に顔を見ることはない。


「久しぶりに会いたいな…」


ぽつりと呟きながら階段をテンポよく下りていく。

そして2階にたどり着いた時。
不意に階段横の扉がガチャリと開いた。
ガサガサという音がしたから同じごみ出しかなと思いながら何気なくドアの方を見やると。


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