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妄想圏外区域
偶然


その日の放課後。部活も終わって僕は一人帰路についていた。

途中まで一緒に帰っていた風丸君や豪炎寺君とはついさっき別れたばかり。こっち方面に家があるのは僕だけだから必然的に一人きり。

暇なので今日のご飯はなんだろう、なんてぼんやりと色んな料理を思い浮かべながら歩いていると。


ドンッ


曲がり角で誰かとぶつかってしまった。
そんなに強い衝撃じゃなかったから僕も相手も転びはしなかったけど、僕は慌てて頭を下げた。


「すみませんっ。僕がしっかり前を見て歩いていなかったから…」

「ああ、気にしないで。僕にも非はあるんだから」


その優しそうな声音に顔を上げると……なんだか某スーパーなサイヤ人のような髪型の人がいた。


「…大丈夫?」

「あ、はいっ」


いけない、つい凝視しちゃった。
その謝罪も含めてもう一回頭を下げる。


「本当にすみませんでした。それじゃ…」

「あ、ちょっといい?」

「はい?」


にこやかな笑顔とともに呼び止められて、不思議に思いながらも足を止める。


「君の家って、この近くなの?」

「…?はい、そうですけど……」

「そっか…。ふふ、面白くなりそうだ」

「え?」

「ううん、こっちの話。それじゃあ、呼び止めちゃってごめんね」


……一体何がしたかったんだろう?

そんな疑問を浮かべつつ、僕は止めていた歩みを再開するべく前へと踏み出した。


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あきゅろす。
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