妄想圏外区域
C
最初のアタックはキャプテンだった。
「南雲っ、一緒にサッカーやろうぜ!」
次の日の昼休み、帰ろうとしていた南雲君を捕まえてキャプテンはストレートにそう言ったらしい。
南雲君は一瞬驚いたような顔になったけど、無視してそのまま帰っていってしまったということを風丸君から聞いた。
廊下を歩いていたらちょうど見かけたんだって。
「じゃあ、あいつもう学校にいないんだな」
「ああ」
「早退かぁ…、病気かな?」
「いや、それはないと思うぞ。絶対サボりだ」
「…まあ、なんにせよ長期戦になりそうだな」
佐久間君がぼやいた言葉に同意するように頷く。
一筋縄じゃいかないだろうってことはひしひしと感じている。僕に出来ることは少ないかもしれないけど、少しでも役にたったら嬉しい。
その前に保健室まで運んでくれた御礼を言わなくちゃと考えながら、持っていたカフェオレを飲み干した。
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