妄想圏外区域
A
「…っま、待てよキャプテン!俺は反対だっ」
「お…俺も、あの人怖いっス……」
キャプテンの突飛な提案に異を唱えたのは木暮君。壁山君に続いて栗松君や少林寺君といった1年組からも不満の声があがる。
「同じ人間なんだから怖いも何もないだろ」
そうけろりと返したのは豪炎寺君で、反論の声が少し小さくなった。
俯いている木暮君に声をかけようとしたら、キャプテンにやんわり制された。
僕は頷いて一歩後ろに下がる。
自分で言い出したことだから、自分で納得させたいのだということがすぐに分かった。キャプテンは、そういう人だから。
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