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妄想圏外区域
C


そう言うがいなや近くにあったサッカーボールを蹴り上げる男の子。
そのままボールを追うようにキャプテンの横を…ううん、上を飛び越えていった。


「なっ…」

「おいおい、この程度かよ」


にやりと笑う男の子に、鬼道君と一ノ瀬君がスライディングをしかけるけれど、それすらもひらりとかわしてしまう。


「くっ」

「なんて早さだ…!」


何が目的でこんなことをしているのかは分からない。だけどやらなきゃいけないことは分かる。


「吹雪!」

「うんっ」


風丸君と頷き合って、先に走り出す。


「あ?次はてめぇか?」

「………」


まだ。まだ早い。
あと少し、ギリギリまで引き寄せて……。


「たぁっ!」

「っ!くらうかよっ」


アイスグランドと見せかけてスライディングを放った。それは紙一重で避けられてしまった、けど。
その先には。


「もらった!」


待ち構えていた風丸君が。

バランスを崩していた男の子は流石にそれをかわすことが出来なくて、ボールは風丸君の元へ。

いったのはいいんだけど、男の子は勢いを殺しきれなかったみたいでそのまま地面へと倒れそうになっていた。


「危ないっ」


反射的に彼を支えようとした。
でも僕の力じゃ力不足だったみたいで。

──ドスンッ


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あきゅろす。
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