妄想圏外区域
C
「もう少しからかいたかったんだけど、ゴールドが気付くだなんてねぇ」
「それくらい分かりますって。シルバーは分からなかったみたいっスけど」
「………」
「というか、何で男装なんかしてんすか?」
「…えと、今度の文化祭で男女逆転喫茶というのをやるんです。僕、男装とかしたことないから不安で…。それでブルーさんに相談したら何故かこんなことに……」
恋人発言された時はびっくりしました、と言うイエローにさっきのことを謝ろうとしたが、中々口を開くことが出来ない。そんな俺に気付いたのかは不明だが、何故かイエローが申し訳なさそうな顔で俺を見上げてきた。
「あのっ…、騙すようなことしてすみません。…でも、シルバーさんのおかげで男装に自信がつきました。有難うございます!」
そう言ってふわりと笑う彼女の思考が、俺には理解出来ない。なんでこいつが謝って、その上御礼まで言うんだ?
…こんな奴、初めてだ。
「よければ文化祭、遊びに来て下さいね。シルバーさん、ゴールドさん」
謝るタイミングを逃してしまった俺は、その言葉にただ頷くことしか出来なかった。
(にしても小さくて可愛いっスねー)
(え…あの…)
(…ゴールド、イエローが困っているぞ)
(いえ、そんな…)
(…ちなみにイエローはアンタ達より一つ上だからね)
((はぁっ!?))
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