妄想圏外区域
A
「ただいま。ふふ、ちゃんとイエローと遊んでたわよ」
イエロー…?
聞き慣れない名前に首を傾げる。それはゴールドも同じだったようだ。
「姐さん?その…イエローって誰っスか?」
「だから友達よ、と・も・だ・ち。ね、イエロー」
外を振り返ってそう呼びかける姉さん。…どうやらそのイエローという人がいるらしい。だが、中々姿を現さない。元々待つのが苦手な姉さんが業を煮やすまで、そう時間はかからなかった。
「ああもうっ。何恥ずかしがってるのよ」
「わわっ」
引きずられるようにして物影から姿を現したその人は、俺が思っていたより小さかった。そして一見女と見間違えてしまうような、所謂草食系の男だった。
短い金髪が日の光を浴びて輝いている。なんだか新鮮な気持ちになるのは、周りにそういった奴がいなかったからだろうか。
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