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妄想圏外区域
Reverse Liqueur


「ガーゼールーっ」


太陽が沈みつつある夕暮れ時。

いつにも増してにこにこ顔のアフロディが厨房にひょっこりと現れた。
この時点でトラブルの匂いがするのだが、気の所為だと思いたい。


「ちょっとお願いがあるんだけど、いいかな?」

「…私に出来る範囲内なら」

「簡単なことだよ。夕食の時、フブキ君のグラスにこれを注いで欲しいんだ」


これ、と言って渡されたのは一本のボトル。
ラベルに何か書かれているが、文字が読めないため分からない。ボトルの中には飲み物らしき液体が入っている。

いや、注いでくれと言っているから飲み物なのは間違いないか。


「これはジュースか?」

「違う違う。強いて言えばあのツンツンなフブキ君をデレッデレにしてしまう魔法の飲み物だよ!」


芝居がかった所作で高らかに声を張り上げるアフロディ。


「あぁ、危ない薬とかではないから安心していいよ」

「そうか」


まあそれなら安心だ。

…あのフブキがこんなただの液体でデレデレになる気はしないが、物は試しだ。やってみるとしよう。


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あきゅろす。
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