妄想圏外区域
A
「成程な…」
僕の話を聞いてどこか納得したように頷いたガゼル君は、ふと首を傾げて。
「一つ聞いていいか?もしハンターが死んだとされた時、その吸血鬼の元にはもうハンターは派遣されないのか?」
「そんなの、されるに決まって…」
……あ。
そうだ、派遣されるなら僕の所にもとっくに新しいハンターが来ているはずなんだ。
だから…。
「まだ生きてる…って思われてるのかな」
「ああ。それしかないだろう」
嬉しい反面、ふつふつと湧き出る違和感は拭えない。
普通、二ヶ月近く経ったら別のハンターを派遣していたのに。隊長にも何か考えがあるのかな…?
「…それにしても」
「?」
「ハンターというものはお前のような幼い者でもなれるものなのか?」
ぴきん、と空気が凍った気がした。
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