[携帯モード] [URL送信]

妄想圏外区域
Age Panic


太陽が昇って、沈む。
そして再び陽が昇る。

そのサイクルを一体何回…何十回繰り返したのか分からない。

結論を言うと、僕はまだ忌まわしき吸血鬼の屋敷に閉じ込められている。

助けは多分、来ない。
死と隣り合わせのヴァンパイアハンター。帰ってこないということは十中八九死に至ったということ。

きっと僕も死んだことにされているんだろう。

僕を送り出してくれた隊長の顔が過ぎる。
隊長も…、僕が死んだって思ってるのかな…。


「はあ……」

「どうした。溜息などついて」

「…あ、ガゼル君。ううん、ちょっと考え事」

「考え事?」


話そうかどうか迷ったけど、口に出した方が楽かなと思ったからか。


「なんていうんだろう…。ちょっとしたホームシック、かな」


気がついたらそう切り出していた。


.

[*前へ][次へ#]

34/57ページ


あきゅろす。
無料HPエムペ!