妄想圏外区域 D 「…涼野」 そっと身を引いて、涼野を真っ正面から見据える。 「俺なんかの傍に、いてくれるのか?」 「なんか、なんて言うな。…さっき言っただろう。ずっと傍にいると」 不意に涼野が顔を寄せてきて、俺の唇のすぐ横にそれを軽く触れ合わせてきた。 やわらかい、なんて働いていない思考で思ったのは一瞬のことで。 「すっ、すすすす涼野っ!?お前っ、何して…っ!」 「今はまだこれで我慢する。…嫌だったか?」 「……べ、つに、嫌ではなかったけど…、いきなりはねぇだろいきなりはっ!」 「成程。いきなりじゃなければいいのか」 「ちょっ、待っ…」 再び顔を寄せてくる涼野を押し返そうとした、刹那。 「あー…いてぇ…。あいつ誰だったんだよ。容赦なくやりやがって」 「ま、これぐらいいーんじゃねーの?なんせあの吹雪アツヤをボコれたんだしさぁ」 「はっ、違いねぇな」 聞き捨てならない声と、下卑た笑い声。 その声は昔俺に喧嘩を売ってきて返り討ちにあった奴等。 勿論俺はボコられていない。 と、いうことは……。 「…涼野。どうやら制裁しなきゃいけねぇ奴等が出来たみたいだ」 「奇遇だな。私はそれに加えお前との時間を壊されて苛々が二乗だ」 「んじゃ、やるとすっか。一緒に」 「ああ、一緒に」 そう頷き合った後、いくつもの悲鳴が保健室に響き渡ったのは言うまでもない。 傍に在る幸せ (げっ、携帯壊れてる) (…何故?) (多分反撃された時に当たっちまったんだろうな…) (仕方ない、そいつにも携帯と同じ末路を辿らせてやろう) (全殺しは流石に駄目だぞ、言っとくけど) ――――― 涼アツとか涼吹よりマイナーな気がする\(^Q^)/ 俺得街道まっしぐら! 20100416梼獄驥 [*前へ][次へ#] |